「タグ(tag)」「ラベル(label)」「チップ(chip)」は、情報の整理・視認性の向上・操作性の強化に欠かせないUIコンポーネントです。
しかしこれらの用語は似ているようで役割が異なり、デザイナーやエンジニアの間でも混同されがちです。本記事ではそれぞれの定義・使いどころ・代表的なUI例を明確に解説し、実際に参考にできるUIパーツ一覧も紹介します。
タグ(Tag)とは
タグの定義
タグとは情報を分類・カテゴライズするためのキーワードやラベルをUIとして表現したものです。ブログ記事、商品、投稿などに「#料理」「#旅行」などの形でよく使われます。
主な用途
- コンテンツのフィルタリング(例:検索機能で特定タグをクリック)
- カテゴリ表示(例:記事の上に「#UXデザイン」など)
- タグクラウド(タグを視覚的に並べる)
デザインの特徴
- 長方形や角丸のシンプルな形状
- 色分けされている場合が多い(カテゴリーごとに色分けなど)
- クリック可能なものが多い(リンクやフィルタに対応)
使用例
- ECサイトの商品タグ(#送料無料、#新商品 など)
- Qiitaやnoteの記事タグ
- Instagramのハッシュタグ
ラベル(Label)とは
ラベルの定義
ラベルは、UI上の入力欄やボタンなどに対して「これは何か」を示す説明用テキストです。タグやチップと異なり、補助的かつ静的な情報であることが多いです。
主な用途
- フォームの項目名(例:氏名、メールアドレス)
- スイッチやトグルの状態表示(例:ON/OFF、公開/非公開)
- データの区分説明(例:ステータス:完了)
デザインの特徴
- 基本はテキストベース、装飾は控えめ
- インタラクティブではないことが多い
- 常に対象要素とセットで表示される
使用例
- フォームフィールドの見出し(例:「パスワード」)
- ボタンの補足説明(例:小さい字で「クリックで送信されます」)
- UIコンポーネントのステータス表示(例:「処理中」)
チップ(Chip)とは
チップの定義
チップは短い情報やアクション要素をコンパクトに表示するUIパーツです。タグとラベルの中間のような存在であり、インタラクションが可能なことも多いのが特徴です。
主な用途
- 選択済みのフィルター表示(例:選んだ地域やカテゴリ)
- ユーザー情報(例:アバター+名前の表示)
- 通知や状態の表示(例:新着、エラー)
デザインの特徴
- 角丸の矩形、丸型、アイコン付きなど多様
- 削除ボタン(✕)やアイコンを含むことが多い
- 操作可能なUI(選択、削除、展開など)
使用例
- Google Material Designのチップ
- Gmailの宛先表示(アドレスが小さな枠に入っている)
- Slackのメンバー選択時の名前チップ
タグ・ラベル・チップの違いまとめ
| 要素 | 定義 | 主な用途 | 操作性 | デザイン特徴 |
|---|---|---|---|---|
| タグ | 情報分類のためのキーワード | 検索・フィルタ・カテゴリ表示 | 高い(クリック可能) | 色分け、コンパクト、角丸枠 |
| ラベル | 入力欄などの説明テキスト | フォームやUIの補助 | 低い(静的) | シンプルなテキスト |
| チップ | 情報単位の表示・操作要素 | フィルタ表示、選択情報、状態表示 | 高い(削除や選択) | アイコン付き、小型、可変長 |
それぞれがUI内で果たす役割は明確に異なり、適切に使い分けることでUXが大きく改善します。
UI設計での使い分けのコツ
情報の「説明」か「分類」かを見極める
- 「説明」ならラベル
- 「分類」ならタグ
操作の必要性があるか確認する
- 削除・選択など操作が必要な場合はチップを検討
- 静的な表示だけでいいならラベルで十分
ビジュアル階層を意識する
- チップ:やや目立たせつつ、周囲との調和を意識
- タグ:アクセントカラーを使い区別しやすく
- ラベル:控えめなグレーや小サイズ
参考UIパーツ一覧(デザインギャラリー)
タグの参考例
- Material Design Tags
- Figma Community Tags Kit
ラベルの参考例
- Ant Design Form Labels
- Tailwind UI Forms
チップの参考例
- Google Material Chips
- Vuetify Chips
- Chakra UI – Tag/Chip Components
まとめ
「タグ」「ラベル」「チップ」は、どれも一見似ているようで、UI設計における役割は明確に異なります。
- タグ:情報の分類・検索補助
- ラベル:UI要素の説明・補足
- チップ:情報の表示と簡単な操作
この3つを正しく使い分けることでUIが整理され、ユーザーが直感的に情報を扱えるようになります。プロダクトのUI/UXを磨く上で、ぜひ今回の内容を指針にしてください。
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