Webサイトやアプリのユーザー体験を左右する要素のひとつが「グローバルナビゲーション(global navigation)」です。訪問者が迷わず情報にたどり着けるかどうかは、このナビゲーションの設計にかかっています。本記事ではUIデザイナーやフロントエンド開発者向けに、グローバルナビゲーションの基本から、目的別に使える参考パーツ、デザインパターン、実装のポイントまでを詳しく紹介します。
グローバルナビゲーションとは?
グローバルナビゲーションとは、Webサイトやアプリの全体構造を示す主要なメニューのことです。トップページはもちろんサブページにも共通して表示され、ユーザーがどのページにいても迷わず他の主要ページにアクセスできる役割を持っています。
一般的には画面上部(ヘッダー)や左サイドバーに配置されることが多く、以下のような要素を含みます。
- サイトロゴ(トップページへのリンク)
- メインカテゴリのリンク(例:サービス、料金、会社概要、ブログ、問い合わせ)
- サブメニューやドロップダウンメニュー
- ユーザー関連機能(ログイン、プロフィール、カートなど)
グローバルナビゲーションが重要な理由
グローバルナビゲーションはUX(ユーザー体験)とSEOの両面において極めて重要です。理由は以下の通りです。
ユーザーの迷子防止
ナビゲーションが明確であれば、ユーザーはどこに何があるか直感的に理解できます。直帰率や離脱率の低下にもつながります。
2. コンバージョン率の向上
必要な情報へすぐにアクセスできる導線が整っていれば、問い合わせや購入といったアクションを起こしやすくなります。
SEO対策としての内部リンク強化
グローバルナビゲーションに主要ページのリンクを含めることで、Googleのクローラーが重要ページを認識しやすくなり、サイト全体の評価向上が期待できます。
グローバルナビゲーションの主なデザインパターン
シンプルな水平ナビゲーション(Horizontal Navigation)
最も一般的な形。ロゴの横にメニューが横並びで表示されます。パソコン画面に適したデザインで、項目数が少ないサイトに向いています。
ドロップダウン付きナビゲーション
上位カテゴリにカーソルを合わせると、下にサブメニューが展開されます。多階層な情報構造に対応可能。
ハンバーガーメニュー(モバイル向け)
画面サイズの小さいスマートフォン向けに採用される形式。3本線アイコンをタップするとメニューが展開される。
メガメニュー
ECサイトなどで見られる大量のカテゴリを一度に見せる形式。ドロップダウンよりも広い領域を使って、階層構造をビジュアルに提示できます。
サイドナビゲーション(垂直型)
BtoBサイトやダッシュボード型UIに多く見られる形式。左側に縦方向のメニューを配置し、情報の深掘りに適している。
参考にしたいグローバルナビゲーション実例集
以下はデザインとユーザビリティの両面から参考になる実例サイトです。カテゴリ別に紹介します。
【コーポレートサイト系】
Airbnb(https://www.airbnb.jp)
- シンプルで視認性の高いナビゲーション。
- ドロップダウンで言語・通貨の切り替えもスムーズ。
- モバイルにも最適化されたレスポンシブデザイン。
freee(https://www.freee.co.jp)
- SaaS企業らしい信頼感のあるデザイン。
- メガメニューで多様な製品ラインを整理。
【メディア・ブログ系】
note(https://note.com)
- ログイン・投稿機能へのアクセスがわかりやすい。
- ミニマルながら必要機能を網羅。
WIRED(https://wired.jp)
- カテゴリを重視したシンプルな構造。
- PCとモバイルで同じ体験ができる工夫。
【ECサイト系】
ユニクロ(https://www.uniqlo.com/jp/)
- メガメニューで商品カテゴリを網羅。
- カートや検索機能もナビ内に統合。
Amazon(https://www.amazon.co.jp)
- 左上の「すべて」ボタンから展開される巨大メニュー。
- 検索を重視したナビ設計。
グローバルナビゲーション設計のポイント
デザイン前に以下のポイントを抑えておくと、迷いのないUI設計ができます。
ユーザーの導線を明確にする
訪問者の目的を想定して、最短で情報へたどり着けるメニュー構造を作ります。ヒートマップやユーザーテストを活用すると効果的です。
重要なページだけに絞る
すべてを盛り込みすぎると逆に使いづらくなります。ナビゲーションには「最も重要な情報」だけを配置し、他は別導線に任せましょう。
モバイルファーストで考える
今や半数以上のアクセスがスマートフォンから。小さい画面でも見やすく、操作しやすいUI設計が求められます。
カスタマージャーニーに応じて変化させる
ログイン後に表示内容を変える、LPではナビを省略するなど、状況に応じて最適化する工夫も有効です。
実装時のチェックリスト
✅ HTML5の<nav>タグで構造を明示
✅ リスト形式(<ul><li>)でマークアップ
✅ aria-labelなどでアクセシビリティに配慮
✅ 各リンクは明確なテキストラベルを持つ
✅ 過剰なJavaScriptでの表示制御は避ける(SEO対策)
✅ PCとモバイルのUIを明確に分ける or 統合する設計にする
グローバルナビゲーションに使えるUIパーツ一覧(参考ライブラリ)
Material UI(React)
- シンプルで高機能なAppBar、Drawerなどを提供。
- モバイル対応済。
Bootstrap
navbarクラスで基本的なナビゲーションがすぐ作れる。- カスタマイズ性も高い。
Tailwind CSS + Headless UI
- 自由度が高く、ユニークなナビデザインに最適。
- スライドメニューやドロップダウンのベースに使える。
Figma UIキット
- モックアップ作成時に便利。
- 「Nav」「Menu」で検索すると豊富にヒット。
まとめ
グローバルナビゲーションはサイト全体のUXとSEOを支える土台です。設計においては「ユーザーが迷わず行動できる構造」「主要ページへの導線強化」「レスポンシブ対応」が基本となります。
本記事で紹介した実例やUIパーツを参考に、自社サイトやプロジェクトに最適なナビゲーションを設計・実装してください。
他にもクリエイターの収入アップ方法も紹介しているので、自分の給与に違和感がある方は覗いていってみてください。