アプリやWebサービスのインターフェースにおいて、フローティングアクションボタン(FAB:Floating Action Button)はユーザーの主要アクションを強調するための重要なUIパーツです。特にモバイルアプリでは視認性が高く直感的に操作できるため、ユーザー体験(UX)を向上させる要素として重宝されています。本記事ではFABの基本設計から最新のUIトレンド、さらに参考になる実例・UIパーツを一覧で紹介します。
フローティングアクションボタン(FAB)とは?
フローティングアクションボタン(FAB)は画面上に浮かぶように表示される丸いボタンで、ユーザーにとって「最も重要な行動」を促すための要素です。
主な特徴
- 画面上で浮かぶ(floating)ため、他の要素と明確に差別化される。
- 円形デザインで、視覚的にアイコンを中心に配置。
- 一貫した位置(通常は右下)に表示される。
- タップ時にアクションを実行、もしくはサブアクションが展開される。
使用例
- 新規作成(+)
- チャット開始
- 写真撮影・アップロード
- ナビゲーションのトリガー など
FABがUX/UIに与える効果
FABはユーザーの注目を集める構造になっており、以下のようなUX上の利点があります。
- ユーザーの迷いを減らす:主要アクションが一目でわかる
- 操作の効率化:よく使う機能に素早くアクセス
- ビジュアルの一貫性:GoogleのMaterial Designに準拠した美しい統一感
- スペースの有効活用:限られた画面内でも邪魔になりにくい
ただし使いすぎや誤用はUXの悪化を招くため目的を明確にし、コンテキストに合った使用が求められます。
フローティングアクションボタンの種類とバリエーション
通常のFAB(スタンダード)
最もシンプルな形。1つの主要アクションのみに使用。
例
- Gmailの「+」ボタン(新規メール作成)
拡張FAB(Extended FAB)
テキストラベル付きでアイコンと文字の両方を表示。視認性が高く、意味を明確に伝えられる。
例
- Googleマップの「出発」ボタン
スピードダイヤルFAB(マルチアクションFAB)
タップすると複数のサブボタンが展開。複数アクションをグループで提供したい場合に有効。
例
- LINEのチャット画面での+アイコン → 送信、画像、位置情報などの選択
UIデザインの参考になるFABパーツ一覧
ここからは実際のデザイン参考になるFAB UIパーツを一覧形式で紹介します。Figma、Adobe XD、Sketch、Reactコンポーネントなど多様な形式をカバーしています。
Material Design FAB by Google
URL: https://m3.material.io/components/floating-action-button/overview
提供元:Google
特徴:公式ガイドライン付きで、状態・サイズ・モーションの詳細が掲載。
MUI (Material-UI for React)
URL: https://mui.com/material-ui/react-fab/
特徴:Reactで簡単に導入でき、テーマや色、アイコンのカスタマイズが豊富。
Figma Community – FAB UI Kits
キーワード:FAB, Floating Action Button, Material UI
特徴:多数のFigma UIキットが公開されており、モバイルUIに即適用可能。
Ant Design Mobile
URL: https://mobile.ant.design/components/fab
特徴:中国系アプリに強いデザインシステム。軽量でミニマルなUI。
Bootstrap Floating Button(非公式)
URL: CodePenやGitHubで「bootstrap floating action button」と検索
特徴:Bootstrapを用いた軽量な実装例が多く、カスタマイズ性も高い。
Tailwind CSS + Headless UIでの実装例
検索キーワード:Tailwind Floating Action Button
特徴:自由度が高く、独自モーションも実装しやすい。SPA向け。
FABデザインで気をつけるべきポイント
✅ アクセシビリティ対応
- スクリーンリーダー対応(
aria-labelなど) - タップ領域は48dp以上を確保
✅ カラーとコントラスト
- 画面背景と十分なコントラストを確保
- 状態ごとの色(ホバー、フォーカス、無効状態など)を明示
✅ モーション設計
- 展開アニメーションやトランジションを自然に設計
- ユーザーに「何が起きたか」が明確に伝わるように
成功しているFAB実装事例
◉ Google Keep
- スタンダードなFABで「新規メモ作成」を明示
- サブアクションなしのシンプル設計
- プラスボタンで「投稿作成」へ誘導
- ユーザー行動の起点として強い導線を担う
◉ Uber
- 「出発地入力」「目的地入力」に連動したFAB変化
- 状況に応じてFAB内容が変化し、ユーザーの文脈に合わせる
まとめ:FABは強力だが「文脈主義」が鍵
フローティングアクションボタンはUX/UIデザインの中でも非常に効果的な要素ですが、あくまで文脈に即した配置と使用が成功の鍵です。
✔️ FABは目立たせすぎると他要素を妨げる
✔️ ユーザーが本当に求めるアクションに限定する
✔️ シンプルで一貫性のある動作を意識する
デザインの初期段階で「FABは必要か?」「何をさせたいのか?」を自問し、設計に組み込むことで、より完成度の高いインターフェースが実現します。
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