WebやアプリのUI設計において「ドロワー(drawer)」は、限られた画面スペースを有効活用しながらナビゲーションや操作パネルを表示するための重要なUIパーツです。本記事ではドロワーの基本的な役割から具体的な参考パーツ、そして実装における注意点まで、実例を交えて詳しく解説します。UIデザインやフロントエンド開発に関わる方にとって、保存版の内容となっています。
ドロワーとは?
ドロワー(drawer)とは、ユーザーの操作に応じて画面の一部からスライドして現れるUIパネルのことです。主に以下の用途で使用されます。
- ナビゲーションメニュー(ハンバーガーメニュー)
- 設定パネルやフィルターオプション
- 詳細情報の表示
- コンテンツの切り替え
スマートフォンなどのモバイル環境で頻繁に使われ、限られた画面領域の中でユーザー体験(UX)を損なうことなく操作性を提供できる点が最大のメリットです。
ドロワーの主な種類
サイドドロワー(Side Drawer)
画面の左または右からスライドして出現するタイプ。ハンバーガーメニューなどに多用されます。
特徴
- ナビゲーション向き
- ユーザーに馴染みやすい
- スクロールの妨げにならない
ボトムドロワー(Bottom Drawer)
画面の下部から出てくるタイプ。スマホでの操作性を意識した設計に適しています。
特徴
- 片手操作に強い
- アクションメニューに適している
- Androidのマテリアルデザインで採用例が多い
フルスクリーンドロワー
画面全体を覆うドロワー。フィルターや検索、詳細設定の入力画面などに使用されます。
特徴
- フォーカスを与えたい操作に最適
- 背景を完全に隠す
- ユーザーに強い注意を促す
UI設計で参考にしたいドロワーの実例パーツ一覧
ここからは、実際に参考にできるドロワーパーツを目的別に紹介します。デザインギャラリーサイトやライブラリ、UIフレームワークなどから厳選したパターンです。
【1】ナビゲーション向けドロワー
■ Material-UI (MUI) — Persistent Drawer
React用の人気UIライブラリ。固定型・トグル型のドロワーが用意され、モバイル対応も完璧。
■ Ant Design — Side Navigation Drawer
管理画面向けのUIパターンが充実。スクロール連動やフォームの表示にも対応
■ Tailwind UI — Sliding Panels
Tailwind CSSユーザー向けのドロワーUI。ミニマルかつ柔軟なデザインで、カスタマイズ性が高い。
【2】フィルター・設定用ドロワー
■ Shopify Polaris — Filters Drawer
eコマース向けに最適化されたUI。フィルターの項目をドロワーに収納し、UXの改善につながる。
■ Chakra UI — Drawer with Form
フォーム入力を伴うドロワーの実装がスムーズ。アクセシビリティ対応済み。
【3】モバイルアプリ向けドロワー
■ iOS Human Interface Guidelines — Slide Over Panels
Appleが推奨するUXパターン。アプリ内でのサブコンテンツの表示に最適。
■ Android Material Design — Bottom Sheets
ボトムドロワーに特化。リストやアクションメニューの展開に最適。
ドロワー実装時の注意点
アクセシビリティ
ドロワーはモーダルと同様に、画面上の操作を一時的に制限するUIです。以下を意識してください:
- キーボードで操作できること
- スクリーンリーダーで内容が読めること
- 開閉時のフォーカス制御
アニメーションと遷移
自然なスライドイン/アウトのアニメーションを付けることで、ユーザーの認知負荷を下げることができます。ただし、動きが遅すぎると逆にUXを損ねます。0.3秒前後が最適とされます。
モバイルファースト
スマホからのアクセスが主流の現在、モバイル設計をベースにドロワーのサイズ・出現方向・スワイプ操作などを最適化することが重要です。
ドロワーを活用したUIの成功事例
LINEのサイドドロワー
LINEではフッターの「ホーム」「トーク」「ニュース」などの主要ナビとは別に、右上からスライドするサイドドロワーで設定・プロフィールなどを集約。必要な情報にすぐアクセスできるUX設計が高評価。
Amazonのフィルタードロワー(モバイル版)
商品検索結果のフィルター項目をボトムドロワーで展開。これにより、画面上部を占拠することなくフィルタリングが可能。
まとめ:ドロワーはUI設計に不可欠なパーツ
ドロワーは限られたスペースでも多機能な操作を可能にし、スマートなユーザー体験を実現する強力なUIコンポーネントです。適切なデザインとアクセシビリティへの配慮があれば、ナビゲーションから設定管理まで多様な用途に応用可能です。
今後のトレンド
- マルチパネルドロワー(ネスト型)
- 音声操作やジェスチャー対応
- ダークモードとの統一感設計
この記事で紹介した参考パーツや注意点を活用し、よりユーザーに優しく、機能的なUIを目指してください。
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