
スプレッドシートで「平均」を求める操作は最も基本的で頻繁に使われる計算の一つです。売上の平均や成績の平均などビジネスや日常生活でも平均値を求める場面は多くあります。この記事ではスプレッドシートで平均を出す方法を3つ紹介します。それぞれの方法を理解すれば場面に応じて最適なやり方を選べるようになります。
基本的なAVERAGE関数を使った平均の出し方
AVERAGE関数の概要
スプレッドシートで最も基本的かつ一般的に使用されるのが「AVERAGE」関数です。
AVERAGE関数は指定した範囲の数値の合計をデータ数で割って平均値を返します。
基本構文
=AVERAGE(範囲)
引数の説明
- 範囲:平均を求めたいセル範囲を指定
【例1】テストの点数の平均を求める
以下のようなテストの結果があるとします。
学生名 | 点数 |
---|---|
山田 | 85 |
佐藤 | 78 |
鈴木 | 92 |
田中 | 88 |
高橋 | 76 |
このデータからテストの平均点を求めるには、次のように入力します。
=AVERAGE(B2:B6)
結果
(85 + 78 + 92 + 88 + 76) ÷ 5 = 83.8
【例2】売上の平均を求める
次に、月別の売上データの平均を出してみます。
月 | 売上 |
---|---|
1月 | 120,000 |
2月 | 130,000 |
3月 | 110,000 |
4月 | 140,000 |
5月 | 125,000 |
売上の平均を出すには、以下のように入力します。
=AVERAGE(B2:B6)
結果
(120,000 + 130,000 + 110,000 + 140,000 + 125,000) ÷ 5 = 125,000
AVERAGE関数のポイント
- 数値データのみを対象にする(空白や文字列は無視)
- エラーがある場合は#DIV/0! などのエラーになる可能性がある
条件付きで平均を求める方法(AVERAGEIF関数)
AVERAGEIF関数の概要
AVERAGEIF関数は、指定した条件に合致するデータだけを対象にして平均を求めます。
特定の値や範囲に基づいて平均を求めたいときに便利です。
基本構文
=AVERAGEIF(範囲, 条件, 平均範囲)
引数の説明
- 範囲:条件を適用するセル範囲
- 条件:平均を求める条件(「>」「<」「=」など)
- 平均範囲:実際に平均を求めたいセル範囲
【例1】80点以上の平均を求める
以下のデータで80点以上の平均を出してみます。
学生名 | 点数 |
---|---|
山田 | 85 |
佐藤 | 78 |
鈴木 | 92 |
田中 | 88 |
高橋 | 76 |
80点以上の学生の平均点を求めるには、以下のように入力します。
=AVERAGEIF(B2:B6, ">=80")
結果
(85 + 92 + 88) ÷ 3 = 88.3
【例2】特定の条件に基づいた売上平均を求める
以下の売上データで、売上が120,000円以上の月だけを対象に平均を出してみます。
=AVERAGEIF(B2:B6, ">=120000")
結果
(120,000 + 130,000 + 140,000 + 125,000) ÷ 4 = 128,750
AVERAGEIF関数のポイント
- 条件に合致しないデータが全ての場合、結果は「#DIV/0!」になる
- 文字列条件や「<>」を使った条件も指定可能
複数の条件で平均を求める方法(AVERAGEIFS関数)
AVERAGEIFS関数の概要
AVERAGEIFS関数は、複数の条件に合致するデータを対象に平均を計算します。
条件を組み合わせたいときに便利です。
基本構文
=AVERAGEIFS(平均範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)
引数の説明
- 平均範囲:実際に平均を求めたいセル範囲
- 条件範囲:条件を適用するセル範囲
- 条件:適用する条件
【例1】80点以上かつ90点未満の平均を求める
以下のデータで80点以上90点未満の平均を出します。
=AVERAGEIFS(B2:B6, B2:B6, ">=80", B2:B6, "<90")
結果
(85 + 88) ÷ 2 = 86.5
【例2】売上が120,000円以上かつ140,000円未満の月の平均を求める
以下の売上データで、120,000円以上140,000円未満の月の売上平均を出します。
=AVERAGEIFS(B2:B6, B2:B6, ">=120000", B2:B6, "<140000")
結果
(120,000 + 130,000 + 125,000) ÷ 3 = 125,000
AVERAGEIFS関数のポイント
- 複数の条件をすべて満たすデータがない場合、結果は「#DIV/0!」
- 条件範囲が異なる場合は、サイズを一致させる必要がある
まとめ
スプレッドシートで平均を求める方法を3つ紹介しました。
- AVERAGE関数
- 単純な平均を求める
- AVERAGEIF関数
- 特定の条件を満たすデータの平均を求める
- AVERAGEIFS関数
- 複数の条件を満たすデータの平均を求める
基本的なAVERAGE関数を押さえつつ条件付きで平均を出す方法を理解すれば、実務で役立つ場面が増えるでしょう。必要に応じて関数を使い分け効率的なデータ分析に役立ててください。
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