スプレッドシートでタブごとに権限を付与する方法

スプレッドシートをチームで活用する際、特定のシート（タブ）に対して異なる権限を設定したい場面があります。例えばプロジェクト管理シートでメンバーごとに編集可能なタブを制限したり、財務関連のタブを閲覧のみに設定したりすることが求められます。本記事ではGoogleスプレッドシートでタブごとに権限を付与する方法について詳しく解説します。

スプレッドシートの共有設定と権限管理の基本

Googleスプレッドシートは、ファイル単位での共有設定が基本となっています。特定のユーザーに対して「閲覧者」「コメント可」「編集可」などの権限を設定できます。

スプレッドシート全体の権限設定

Googleスプレッドシートを開く

右上の「共有」ボタンをクリック

「ユーザーやグループを追加」にメールアドレスを入力

ユーザーごとに「閲覧者」「コメント可」「編集可」を選択し、「送信」ボタンを押す。

この方法ではファイル全体の権限を設定できますが、特定のタブ（シート）ごとの権限管理はできません。そのためタブごとに権限を設定する方法を以下で詳しく説明します。

タブごとに権限を設定する方法

シートの保護機能を活用する

Googleスプレッドシートには「シートの保護」機能があり、特定のユーザーだけが編集できるように設定できます。

シートの保護設定手順

Googleスプレッドシートを開く

権限を設定したいタブを選択

メニューの「データ」→「シートと範囲を保護」をクリック

右側の「シートを保護」メニューで「シート」タブを選択し該当のシートを選ぶ

「権限を設定」ボタンをクリック

編集できるユーザーを指定し「完了」ボタンを押す。

これにより指定されたユーザー以外はそのシートを編集できなくなります。ただし、閲覧は可能なため閲覧自体を制限したい場合は次の方法を活用します。

スクリプトを活用してアクセス制限を設定

Google Apps Script（GAS）を利用すれば特定のユーザーだけがシートを表示または編集できるように設定可能です。

GASを使ってシートの表示・非表示を制御

Googleスプレッドシートを開き、「拡張機能」→「Apps Script」を開く

以下のコードをコピーして貼り付ける

function hideSheetForUsers() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("秘密のシート");
  var user = Session.getActiveUser().getEmail();
  var allowedUsers = ["example1@gmail.com", "example2@gmail.com"]; // 許可するユーザー

  if (allowedUsers.includes(user)) {
    sheet.showSheet();
  } else {
    sheet.hideSheet();
  }
}

「保存」して「実行」ボタンを押す。

このスクリプトをトリガーに設定するとスプレッドシートを開いた際に自動で権限に応じたタブの表示・非表示が切り替わります。

シートを別ファイルに分割して権限を管理

タブごとに権限を細かく管理するもう一つの方法は各タブを別のスプレッドシートに分割し、それぞれのファイルの共有設定で権限を設定することです。

シートを別ファイルに移動する方法

Googleスプレッドシートを開き移動したいシートを選択

右クリックし「別のワークブックにコピー」→「新しいスプレッドシート」を選択

新しいスプレッドシートのURLを取得し必要なユーザーだけに共有設定を行う

元のスプレッドシートからは「IMPORTRANGE」関数を使い、データをリンク。

=IMPORTRANGE("新しいスプレッドシートのURL", "シート名!A1:Z1000")

この方法を使うと特定のタブのデータはリンクされたままアクセス制限は別ファイルで管理できるため、より細かい権限管理が可能になります。

各方法のメリット・デメリット

まとめ

スプレッドシートでタブごとに権限を付与する方法は、「シートの保護機能」「GASの活用」「別ファイル分割」の3つが主な方法です。それぞれのメリット・デメリットを理解し用途に応じて適切な方法を選びましょう。特に機密情報の管理が重要な場合は「GASを活用する方法」や「別ファイルに分割する方法」が有効です。チームの運用ルールに応じて適切な権限管理を行いましょう。