
数値を扱う際、四捨五入・切り捨て・切り上げの処理が必要になることがあります。しかし、スプレッドシートでは、場合によっては勝手に四捨五入されることがあり、思ったような数値が表示されないこともあります。本記事では、四捨五入・切り捨て・切り上げの関数の使い方や、勝手に四捨五入される場合の対処法について詳しく解説します。
スプレッドシートにおける四捨五入の基本
四捨五入とは一定の桁数で数値を丸める方法のひとつで、「5以上なら切り上げ、4以下なら切り捨て」を適用するルールです。
四捨五入の基本的な関数:ROUND
GoogleスプレッドシートおよびExcelには、四捨五入を行うためのROUND
関数が用意されています。
ROUND関数の書式
ROUND(数値, 桁数)
数値
- 四捨五入したい数値またはセルを指定
桁数
- 四捨五入する小数点以下の桁数(負の数を指定すると整数部分も四捨五入)
ROUND関数の使用例
A | B | C(結果) |
---|---|---|
3.456 | =ROUND(A1,2) | 3.46 |
3.451 | =ROUND(A2,2) | 3.45 |
1234.567 | =ROUND(A3,-2) | 1200 |
上記の例のように桁数
に負の値を設定すると整数部分の四捨五入も可能になります。
切り捨て・切り上げの方法
四捨五入ではなく切り捨てや切り上げを行いたい場合は、それぞれ専用の関数を使用します。
切り捨ての関数:ROUNDDOWN
ROUNDDOWN
関数を使うと、指定した桁数で数値を切り捨てることができます。
ROUNDDOWN関数の書式
ROUNDDOWN(数値, 桁数)
ROUNDDOWN関数の使用例
A | B | C(結果) |
3.456 | =ROUNDDOWN(A1,2) | 3.45 |
3.999 | =ROUNDDOWN(A2,1) | 3.9 |
切り上げの関数:ROUNDUP
ROUNDUP
関数を使用すると、指定した桁数で数値を切り上げることができます。
ROUNDUP関数の書式
ROUNDUP(数値, 桁数)
ROUNDUP関数の使用例
A | B | C(結果) |
3.456 | =ROUNDUP(A1,2) | 3.46 |
3.111 | =ROUNDUP(A2,1) | 3.2 |
指定の倍数に丸める関数
特定の倍数で数値を丸めたい場合、以下の関数を使用できます。
CEILING関数(指定の倍数に切り上げ)
CEILING(数値, 基準値)
例:=CEILING(123, 10)
→ 130
FLOOR関数(指定の倍数に切り捨て)
FLOOR(数値, 基準値)
例:=FLOOR(123, 10)
→ 120
勝手に四捨五入されるときの対処法
スプレッドシートでは、表示形式の設定によって、実際の数値が四捨五入されて見えることがあります。このような問題を防ぐ方法を紹介します。
小数点以下の表示桁数を増やす
該当するセルを選択
「表示形式」→「数字」→「カスタム数値形式」
以下のように表示形式を選択することができます。
表示形式を「数値」に変更する
「表示形式」を「自動」に設定していると、スプレッドシートが自動的に数値を丸めてしまうことがあります。「表示形式」を「数値」に変更すると、意図しない丸めを防ぐことができます。
- 該当のセルを選択
- 「表示形式」→「数字」→「数値」
数値をテキストとして入力する
数値を正確に表示したい場合、「’(シングルクォート)」を先頭につけて入力すると、スプレッドシートは数値をテキストとして認識し、丸めることなく表示します。
例:'3.1415926535
まとめ
スプレッドシートで数値を処理する際、ROUND
、ROUNDDOWN
、ROUNDUP
、CEILING
、FLOOR
などの関数を適切に使い分けることで意図した丸め処理が可能になります。また、表示形式の設定を適切に管理することで勝手に四捨五入される問題を防ぐことができます。
スプレッドシートの四捨五入・切り捨て・切り上げの機能をしっかり理解し、データの正確な管理に役立てましょう!
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