Web3 / ブロックチェーンの新動向について

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2020年代に入りWeb3とブロックチェーンは技術分野のみならず、社会構造や経済モデルに大きなインパクトを与えつつある。特に2021年のNFT(非代替性トークン)ブームをきっかけに、これまで一部の開発者や投資家の間だけで注目されていたWeb3が一般にも広く認知されるようになった。その後、暗号資産市場の価格変動や規制強化の影響もありブームは落ち着きを見せているものの、技術的進展は確実に進行している。本記事では2025年現在におけるWeb3とブロックチェーンの新しい動向を整理し、その意味を考察する。

L2(レイヤー2)技術の成熟

EthereumをはじめとするL1(レイヤー1)ブロックチェーンの課題はスケーラビリティと手数料の高さだった。これを解決するために登場したL2(レイヤー2)技術はここ数年で大きな進化を遂げている。特にロールアップ(Rollups)の普及は顕著だ。Optimistic RollupsやZK-Rollupsはオンチェーンのセキュリティを保ちながらトランザクション処理を効率化し、ユーザー体験を大幅に改善している。

2025年時点では主要なL2チェーンがそれぞれ独自のエコシステムを構築し、単なるEthereumの補完ではなく独立した開発・利用が広がっている。さらにL2間のブリッジや相互運用性も強化され、「どのL2を使うかを意識させないUX」が整備されつつある。

アプリケーション層の進化

かつてのWeb3は「投機的なNFT」や「DeFiプロトコル」に注目が偏っていた。しかし、現在はよりユーティリティ重視のアプリケーションが増えている。

  • GameFiの再編:2021年のPlay-to-Earn型ゲームは短期的な熱狂の後に急速に衰退したが、2025年は「Play-and-Own」や「ゲーム内資産の真正な所有」に焦点が移り、従来のゲーム産業とも競合しうる実用的なモデルが形成されつつある。
  • ソーシャルメディアの分散化:X(旧Twitter)やMetaに依存しない分散型SNSが登場しており、ユーザーが自身のコンテンツやデータを所有する仕組みが普及し始めている。
  • RWA(Real World Assets)のトークン化:不動産や株式、コモディティといった現実世界の資産をブロックチェーン上にトークンとして表現する動きが広がり、DeFiと伝統金融の橋渡しが進んでいる。

規制とコンプライアンスの進展

Web3の拡大に伴い、規制当局の関与は避けられない。米国やEU、日本を含む各国では暗号資産に関する法整備が進んでいる。特に注目されるのは、ステーブルコイン規制証券性判断である。

  • ステーブルコインは決済や送金インフラとして期待される一方、金融システム全体への影響が大きいため、各国の中央銀行がルール策定を進めている。
  • トークンが「証券」に該当するか否かの基準も明確化されつつあり、プロジェクト側も最初から規制準拠を意識した設計を進めている。

このように規制が整うことで、リスクのあるプロジェクトは淘汰され、逆に大手金融機関や企業が安心して参入できる土壌が生まれつつある。

AIとWeb3の融合

2025年の大きな潮流の一つはAIとブロックチェーンの統合である。AIモデルの生成物の真正性保証や、分散型AIマーケットプレイスの構築などが進んでいる。

例えばAIが生成した画像や文章が「誰によって、どのモデルを使って生成されたのか」をブロックチェーンに記録することで、情報の透明性や信頼性を担保できる。また、AIモデルそのものをNFTやトークンで表現し、分散的に運営・学習させる取り組みも始まっている。これにより、大手プラットフォームに依存しないAI開発の道が開かれる可能性がある。

サステナビリティとブロックチェーン

ブロックチェーン技術は電力消費の多さが批判されてきた。特にProof of Work(PoW)型チェーンは環境負荷が高い。しかしEthereumがProof of Stake(PoS)へ移行したことを契機に、業界全体で低炭素型のコンセンサスアルゴリズムグリーンエネルギー利用へのシフトが加速している。

また、ブロックチェーンはサステナビリティ領域そのものにも応用されている。カーボンクレジットの発行・取引をブロックチェーンで透明化する動きやサプライチェーンの追跡に活用する事例が増えている。これにより企業のESG経営を支えるインフラとしての役割も期待されている。

企業・政府の導入事例

これまでWeb3は「個人主導のムーブメント」と見られていたが、近年は大企業や政府の積極的な導入事例が増えている。

  • 大手金融機関はRWAやステーブルコインを活用した新しい金融商品を提供し始めている。
  • 政府機関はデジタルIDや土地登記システムの透明化にブロックチェーンを活用している。
  • エンタメ業界ではファンとアーティストの直接的なつながりを強化する仕組みとしてNFTやDAOを導入している。

このように、Web3は「投機」から「実用」へと移行しつつある。

結論

2025年現在Web3とブロックチェーンは次のステージへ進んでいる。L2技術の成熟、ユーティリティ重視のアプリケーション、規制の整備、AIとの融合、サステナビリティへの貢献、そして企業や政府の導入。これらの動きはすべて、ブロックチェーンを「一部の人々の実験」から「社会の基盤技術」へと押し上げる力になっている。

今後の課題はユーザー体験のさらなる改善と大衆にとって「使いやすく、意識しなくても利用できる」形にまで落とし込めるかどうかにある。もしそれが実現すれば、Web3はWeb2に匹敵する、あるいはそれを超える存在となるだろう。

他にもクリエイターの収入アップ方法も紹介しているので、自分の給与に違和感がある方は覗いていってみてください。

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