デザイナーは「センス」だけで勝負する仕事ではありません。求められるのはクライアントの意図を汲み取り、ターゲットの心を動かすデザインを形にする力。いわば「見た目」と「中身」の両立ができる職人です。
本記事では現場で信頼される「できるデザイナー」に共通する10の特徴を紹介します。これからデザイナーとしてステップアップしたい方、あるいはデザイナーを採用・協業する立場の方にも役立つ内容です。
1. 課題解決志向がある
デザインとは問題を視覚的に解決する手段です。見た目が美しいだけでなく、「何を解決するためのデザインなのか」を常に考える姿勢が必要です。
例えば「クリック率を上げたい」という課題に対してボタンの色や配置、導線の整理で成果を上げられるのが“できる”デザイナー。見た目の好みではなく「目的」と「成果」に基づいて動けることが重要です。
2. ヒアリング力が高い
優れたデザインは優れたヒアリングから生まれます。できるデザイナーはクライアントの言葉の裏にある「本音」や「課題の本質」を見抜く力があります。
表面的な要望にそのまま応じるのではなく「なぜそれが必要なのか」「本当にそれが最適なのか」と一歩踏み込んで問い直せる力がプロの差を生みます。
3. 情報設計(IA)ができる
見た目のデザインだけでなく情報の整理や構造設計(Information Architecture)まで考えられる人は重宝されます。
例えばWebサイトなら「どの情報を、どの順番で、どう見せるか」。ユーザーが迷わずに目的を達成できる導線設計ができるのは、“設計者としての目”を持ったデザイナーです。
4. デザインの理由を説明できる
「なんとなく」ではなく「なぜこのデザインにしたのか」を論理的に説明できることが信頼につながります。
・色:ブランドカラーとの整合性
・フォント:可読性と印象のバランス
・余白:視線の誘導と視認性の確保
感覚だけではなく戦略に基づいた選択であることを明確に言語化できるのがプロです。
5. UI/UXへの理解がある
デジタル領域では、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザー体験)への理解が欠かせません。
たとえばアプリのデザインなら、「押しやすさ」「読みやすさ」「反応の早さ」など見た目以上に使い心地が重視されます。
“できるデザイナー”はデザインを通じてユーザー体験を設計できる力があります。
6. スピードとクオリティの両立
どれだけ美しいデザインでも納期を守れなければ信頼されません。かといって、早いだけで雑な仕事でもダメ。
求められるのは「スピードと質のバランス」。できる人は、優先順位を見極め、効率的に手を動かすノウハウを持っています。テンプレートやコンポーネントの活用もその一例です。
7. フィードバックを歓迎する
できるデザイナーは他者からの意見を前向きに受け止めます。自分のデザインに固執せず「どうすればもっと良くなるか」を常に探っている姿勢があるからです。
逆に感情的になったり修正依頼にネガティブな態度を取る人は信頼されにくい。プロは柔軟さと建設的な対話力を持っています。
8. トレンドに敏感で学び続ける
デザインの世界は変化が早く流行の移り変わりも激しいです。できるデザイナーは常にアンテナを張り、最新のデザイン事例やツール、技術に触れています。
・海外のポートフォリオサイトをチェック
・日常の中で広告やUIに注目
・ツールのアップデート情報を追う
こうした習慣がアウトプットの鮮度と説得力を保っています。
9. コミュニケーションが円滑
デザイナーは一人で完結する仕事ではありません。クライアント、ディレクター、エンジニアなど、他職種と連携しながら成果物を作り上げます。
できるデザイナーは相手の立場に立って言葉を選び、意図を正確に伝える力があります。ビジネスメールの基本からSlackでの報連相まで、信頼を築くコミュニケーション力が大事です。
10. 自分の「型」を持っている
最後に重要なのはブレない「軸」です。依頼内容や業界が違っても「この人のデザインには一貫性がある」と感じさせる“型”を持っている人は強いです。
それは色使いの傾向だったり、構図のこだわりだったり。自分なりの美意識と考え方があるからこそ、他者に埋もれずに選ばれる存在になれます。
まとめ:センスより思考力が問われる時代
デザイナーの価値は「どれだけ見た目が良いか」ではなく、「どれだけ意図に沿って、結果を出せるか」にシフトしています。
今回紹介した10の特徴を見れば、できるデザイナーに求められるのは圧倒的な“思考力”です。
- 課題を見抜く力
- 相手と対話する力
- 仕組みを設計する力
- アウトプットを説明する力
これらを武器にできればセンスに頼らずとも一目置かれるデザイナーになれます。
他にもクリエイターの収入アップ方法も紹介しているので、自分の給与に違和感がある方は覗いていってみてください。