デザイナーは「センス」だけで勝負する仕事ではありません。求められるのはクライアントの意図を汲み取り、ターゲットの心を動かすデザインを形にする力。いわば「見た目」と「中身」の両立ができる職人です。
本記事では現場で信頼される「できるデザイナー」に共通する10の特徴を紹介します。これからデザイナーとしてステップアップしたい方、あるいはデザイナーを採用・協業する立場の方にも役立つ内容です。
1. クライアントの要望を聞かない
自己表現に走るあまりクライアントの要望を無視するデザイナーは信用を失います。デザインはアートではなく、課題解決の手段。自己満足に終わってしまう人はプロとは言えません。
具体例: クライアントから「シンプルで落ち着いたデザイン」を依頼されたのに、派手なグラデーションと動きの多いアニメーションを盛り込み、全体のトーンがズレてしまった。
2. 基礎ができていない
タイポグラフィ、レイアウト、配色理論など、基礎が身についていないデザイナーは見た目だけ派手で中身のないものを作りがちです。基本を軽視する人ほど、成長も遅くなります。
具体例: 行間が詰まりすぎた読みにくいテキストや、補色同士をぶつけて目に痛い配色を平気で使ってしまう。
3. フィードバックを拒否する
自分の作ったものに固執し、他人の意見を受け入れない人は伸びません。フィードバックをチャンスと捉えられるかどうかが、上達スピードを大きく左右します。
具体例: ディレクターから「ボタンの配置をもっとユーザー目線に」と言われても、「自分はこれがベストだ」と聞き入れず改善を拒否する。
4. トレンドに無関心
最新のデザイントレンドや技術に無関心なデザイナーはすぐに時代遅れになります。トレンドを盲目的に追う必要はありませんが、知っているか知らないかでは大違いです。
具体例: いまだに2010年代初頭の立体感たっぷりのボタンデザイン(スキューモーフィズム)を標準だと思って提案する。
5. 説明できないデザインを作る
「なんとなくこうした」では通用しません。なぜその色を使ったのか、なぜそのレイアウトにしたのか、論理的に説明できないとクライアントも納得しないし信頼もされません。
具体例: ロゴ提案時に「なんとなくカッコいいからこのフォントを選びました」としか説明できず、説得力を欠いた。
6. 仕事が遅い
クリエイティブだからといって締め切りを守らないのは論外。スピード感を持ってアウトプットできない人は、どんなにセンスがあっても仕事が回ってきません。
具体例: ラフ案提出に2週間以上かかりその間の連絡もなく、プロジェクトの進行に支障をきたした。
7. コミュニケーションが下手
デザインはチームワークでもあります。意思疎通ができないデザイナーは周囲にストレスを与え、結果的にプロジェクトの妨げになります。口下手でもいいので意図をしっかり伝える努力は必要です。
具体例: ミーティングで「大体いい感じにまとめます」と曖昧な発言を繰り返し、具体的な提案や進捗報告ができない。
8. 独りよがりなポートフォリオ
自己満足な作品ばかり集めたポートフォリオでは仕事を獲得できません。ターゲットや目的に合わせた成果物を示せないと実力を疑われます。見る側目線を常に意識すべきです。
具体例: デザインコンセプトやターゲットを一切記載せず、ビジュアルだけを並べた自己アピール中心のポートフォリオを提出する。
9. アップデートを怠る
ソフトウェアの新機能、デバイスの進化、ユーザー行動の変化——こうした変化に鈍感なデザイナーは徐々に取り残されます。学び続ける姿勢がなければキャリアは先細りするだけです。
具体例: レスポンシブ対応を求められても「PC版だけ作れば十分」と思い込んでいる。
10. 問題解決意識がない
本質的な課題を理解しようとせず、単に”それっぽいもの”を作って満足するデザイナーは信用されません。デザインは課題解決のための手段である以上、常に「何を解決すべきか」を意識する必要があります。
具体例: 「サイトの離脱率を下げたい」という依頼に対して、見た目だけ派手なバナーを作るだけで終わる。
まとめ
「できないデザイナー」に共通するのは、総じてプロ意識の低さです。デザインに対する責任感、クライアントへの敬意、自分を磨く努力——これらが欠けているとどれだけセンスがあっても成功しません。
逆にいえばこれらのポイントを意識して行動できる人は、確実に「できるデザイナー」へと成長していきます。デザインは感覚だけで勝負できるほど甘くない。だからこそ地に足をつけて、一歩一歩積み重ねることが重要です。
この記事がこれからのキャリアを見直すきっかけになれば幸いです。
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