Gemini に企画書を作らせてみた正直な感想——使えた部分と、ここは自分でやった部分

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企画書を書くのが、ずっと苦手だった。正確に言うと、「書く」作業そのものが苦手なのではない。「何をどの順番で書けばいいか」「この主張の根拠として何を示せばいいか」という思考の部分が、いつも詰まってしまう。書き始めるまでに時間がかかって、書き始めてからも「これで伝わるだろうか」と何度も書き直す。気づいたら半日が終わっていた、ということが何度もあった。

Geminiを企画書作成に使ってみようと思ったのは、半ば「試してやろう」という気持ちからだった。新しいサービスの企画書を週末に仕上げなければならなかったとき、「どうせなら、AIでどこまでできるか確かめてみよう」と思った。結果として、想像以上に使えた部分と、「ここはAIには任せられない」と感じた部分が、はっきり見えた。

Geminiは企画書の「骨格を作る作業」と「アイデアを広げる作業」で特に威力を発揮する。一方で、数値の裏付けや「読む相手への言葉の選び方」は、人間が担わないといけない部分だとわかった。この記事では、私が実際に試したこと、驚いたこと、そして反省したことを正直に書く。

Geminiとは、Googleが開発した大規模言語モデルを活用した対話型AIサービスです。テキストによる質問・依頼に応答し、文章の生成・要約・分析・アイデア出しなど幅広い用途に使えます。ビジネス文書の作成支援でも活用が広がっています。

企画書作成にGeminiを使ってみようと思ったきっかけ

企画書を書くプロセスを分解すると、いくつかの作業に分かれる。市場の現状を調べて整理する「リサーチ」、何を伝えるかを決める「構成の設計」、言葉に落とし込む「執筆」、根拠を揃える「データ収集」、そして読む相手に合わせた「調整」だ。これらをすべて自分一人でやるには時間がかかる。特にリサーチと構成設計に大半の時間を使っていた。

Geminiを使い始めたきっかけになった企画書は、社内向けの新規事業提案書だった。「社内のバックオフィス業務にAIツールを導入することで、月あたりの工数を削減できる」という提案を、経営陣に向けてまとめる必要があった。テーマはわかっていたが、「どの切り口で話を組み立てるか」「どんなデータが説得力を持つか」という部分で手が止まっていた。

企画書づくりのどこに時間がかかるか

企画書を書くとき、一番時間を取られるのは「構成を決める」段階だと実感していた。「最初に課題感を示して、次に解決策を提示して、最後にROIを示す」というパターンはわかっている。でもその中身をどう埋めるか、どんな順序で話を展開するかは毎回悩む。特に「読む相手が何を懸念するか」を想像しながら構成を組む作業が、経験値を要求する難しい部分だった。

アイデア出しにも時間がかかっていた。「この提案のメリットを5つ挙げる」という作業一つとっても、最初の2〜3つはすぐ出るのに、そこから先が続かなかった。「何か見落としていないか」という不安がいつもあった。リサーチも、どのキーワードで何を調べればいいかを決めるところから始まるため、全体の時間が膨らみやすかった。

AIに任せることへの最初の抵抗感

Geminiを使うことへの最初の抵抗感は、「AIが書いた企画書を自分の名前で出すことへの違和感」だった。これは今でも完全には消えていない。でも実際に使ってみて、Geminiが出してくれるのは「完成品」ではなく「叩き台」だとわかった。AIが出した文章をそのまま使えることはほとんどなく、必ず自分の視点で修正し、具体的な数字や文脈を加える必要があった。

「Geminiに企画書を書かせる」というより「Geminiと一緒に企画書を作る」という表現の方が正確だ。たたき台を早く作ってもらって、そこに自分の思考と情報を加えていく。その作業の方が、白紙から始めるより圧倒的に速く、かつ抜け漏れが少なかった。

Geminiが得意だった企画書プロセス

実際に使ってみて、「ここはGeminiに頼んで正解だった」と感じた部分がはっきりあった。特に初期段階の思考整理と構成づくりで、Geminiの効果を強く実感した。

アイデア出しと構成の骨格づくり

最初に試したのは、「この企画書で伝えるべき主要なメッセージ5つを挙げてほしい」という依頼だった。テーマと対象読者(経営陣)、企画の概要を伝えると、Geminiは数秒で5つのメッセージ候補を出してくれた。その中に「コスト削減の試算」「導入リスクの最小化策」「競合他社の導入事例」という視点が含まれていて、自分では後回しにしていた「経営陣が一番気にするポイント」を自然に拾っていた。

構成の骨格についても、「経営陣への社内提案書の構成案を作ってほしい。A4・5枚程度、AIツール導入の提案、反対意見への対処も含めて」と頼むと、スライド1枚ずつの見出しと要点が出てきた。自分が考えていた構成より「現状の課題→導入のメリット→コスト試算→リスクと対策→実装スケジュール」という流れがわかりやすく、その構成をほぼそのまま採用した。

実際に使ったプロンプトのパターンを挙げる。

  • 「この企画の想定反論を5つ出して、それぞれへの反論も書いて」
  • 「経営陣が承認するときに最も重視するポイントは何か、3つに絞って」
  • 「この提案のメリットを、コスト・時間・品質・リスクの4軸で整理して」
  • 「この企画書の冒頭に置く『課題提起』の文章を3パターン出して」
  • 「競合他社が同様のツールを導入した場合、どんな効果が出るか一般的な事例を挙げて」

想定反論の洗い出しと対策立案

企画書で特に役立ったのが、「反論の洗い出し」だ。「この提案に対して経営陣が懸念しそうなポイントを10個出してほしい」と頼むと、自分では思いついていなかった視点が複数含まれていた。「導入後の社員教育コストはどう考えているか」「既存システムとの互換性は問題ないか」「データセキュリティはどう担保するか」という指摘は、確かに準備が必要な論点だった。

これらの反論が事前にわかると、企画書の中で先回りして回答を用意できる。「この懸念についてはこう対処します」という準備ができている企画書は、審議の場での質疑が少なくなる。Geminiに「穴を探してもらう」使い方が、企画書の質を高める一番の使い方だと感じた。

自分でやった方がよかった部分

Geminiが役立つ部分が多かった一方で、「ここはAIに任せず自分でやるべきだった」という反省もある。この部分を正直に書いておく。

数値・データの根拠確認

企画書で失敗しかけたのが、Geminiが出してきた数値をそのまま使いそうになった場面だ。「AIツール導入による業務効率化の平均改善率」として出てきた数字があったが、「どの調査の数字か」「いつのデータか」が明示されていなかった。確認したところ、一般的に流通している数字ではあったが、最新の一次情報ではなかった。経営陣向けの資料でその数字を使っていたら、「出典は?」と問われたときに詰まっていた。

Geminiが出した数値は必ず一次ソースを確認する。これは企画書に限らず、Geminiをビジネスで使う際の鉄則だと思っている。参考資料の候補として使い、最終確認は自分でやる。Geminiに「この数値の出典を教えて」と聞くと、参照すべき調査レポートや公的機関のデータを教えてくれることもある。そこから自分で確認する流れが安全だ。

読む相手を意識した言葉の選択

Geminiが生成した文章は、論理的には整っている。でも「読む相手に刺さる言葉」という観点では、自分の修正が必要だった。たとえば、Geminiが出した「業務効率化による工数削減が期待できます」という表現を、「月あたり20時間の削減が見込まれ、その時間で○○に集中できます」という具体的な表現に書き換えた。論理は同じだが、経営陣が意思決定するときにイメージしやすいのは後者だ。

この「読む相手が何を聞きたいか、どんな言葉なら動くか」という感覚は、その相手を知らないとわからない。その会社の文化、その上司の価値観、その場の意思決定プロセス。Geminiはこれらを知らない。だから、Geminiが作った骨格に「自分が知っている相手についての情報」を肉付けする作業が、企画書を「通せる資料」にするうえで不可欠だった。

Geminiと企画書を作るための具体的な手順

試行錯誤を経て、今の私がGeminiを企画書作成に使うときの手順が固まってきた。参考までに共有する。

プロンプトの書き方——最初に状況を丁寧に伝える

Geminiへの最初の依頼で、以下の情報を必ず含めるようにしている。

  • 企画の概要(一言で何の提案か)
  • 読む相手(部長向け・経営陣向け・社外クライアント向けなど)
  • 目標(承認を得たい・情報共有が目的・意思決定を促したいなど)
  • 制約(ページ数・フォーマット・特定の数字や方針の有無)
  • 読む相手が最も懸念しそうなポイント(事前にわかっていれば)

これらを最初に伝えると、Geminiの回答の質が大きく変わる。「新サービスの企画書を書いて」という曖昧な依頼より、「来月の取締役会で承認を得るための、SaaS型バックオフィスツール導入提案書。反対意見はコスト面が主な懸念。A4・6枚程度の構成案を出して」という具体的な依頼の方が、圧倒的に使いやすい提案が返ってくる。

修正・ブラッシュアップのサイクル

Geminiからの最初の回答を「0点からの叩き台」として使い、そこから対話的に修正していく。「この部分をもっとコンパクトにして」「ここに具体例を追加して」「この表現を数字を使って言い直して」というように、修正指示を出しながら精度を上げていく。一発で完成品を求めるより、何度かやり取りを重ねる方がはるかに質のいいものができる。

また、ある程度できてきた段階で「この企画書の弱い部分を指摘して」と聞くのも有効だ。Geminiが自分で作った文章を自分で批判するのは面白い構図だが、意外と有益な指摘が返ってくる。「コスト削減の試算根拠が弱い」「競合との差別化ポイントが不明確」といった指摘を元に、最終的な仕上げをすることで、企画書の完成度が上がった。

よくある質問

Q1. Geminiで企画書を作ることは倫理的に問題ありますか?

AIツールを使って文書を作成すること自体は問題ありません。重要なのは、最終的な内容に責任を持つのが自分自身であることを意識することです。Geminiが出した内容の事実確認・出典確認・読む相手への配慮は自分が担う必要があります。また、社内ルールや情報管理方針によってはAIツールの使用に制限がある場合もあるため、自社の方針を確認したうえで使うことをお勧めします。

Q2. 企画書に機密情報を入力してもいいですか?

注意が必要です。Geminiは入力されたデータをサービス改善に活用する可能性があるため、社外秘情報・個人情報・未発表の事業計画などを具体的に入力することはリスクがあります。機密性の高い情報を使う場合は、具体的な数字や固有名詞を「A社」「〇〇億円」のように抽象化してから入力するか、社内向けのAIツール(プライベートデータを学習しないタイプ)を使うことを検討してください。

Q3. Gemini Advancedと無料版で企画書作成の違いはありますか?

無料版でも企画書の骨格づくりや構成提案などの主要な用途は使えます。Gemini Advancedでは、より長い文脈を扱えるため、長い企画書を一度に処理したり、複数の資料を参照しながら考えさせたりする場合に違いが出ます。また、GoogleドキュメントやGoogleスライドとの連携機能はAdvancedでより充実しています。まず無料版で使い心地を確かめてから、課金を検討するのが無駄のない方法です。

Q4. 企画書以外のビジネス文書にも使えますか?

はい、同様の使い方が多くの文書に応用できます。会議の議事録の整理、週次報告書の下書き、プレゼンスライドの構成案、クライアントへの提案メールの文章作成など、「構成を考えて言葉にする」作業全般にGeminiは役立ちます。特に「どんな構成にするか迷っている」「書き始めの一文が出てこない」という場面で、最初の叩き台を出してもらうだけで、大きく時間が短縮されます。

Q5. Geminiと競合他社のAI(ChatGPT、Claudeなど)、企画書作成ではどれが優れていますか?

企画書作成においては、どのAIも「骨格づくり・アイデア出し・反論洗い出し」という基本的な用途で同水準の使い勝手があります。GeminiはGoogleドキュメント・スライドとの連携がスムーズで、Google Workspaceを使っている環境では特に使いやすい点が強みです。ChatGPTはプラグインやカスタムGPTを活用することで特定のワークフローを作りやすく、Claudeは長文の一貫性が高いと言われています。まずGeminiを試して、物足りない部分を他のAIで補う使い方が現実的です。

Q6. 初めてGeminiで企画書を作るとき、どこから始めるのがいいですか?

まず「現在進行中の小さな企画書」で試してみることをお勧めします。重要な案件の本番ではなく、社内への情報共有メモや小規模な提案書で使い方を覚える。最初は「この企画の反論を5つ出して」「この構成案の弱い部分を指摘して」といった「穴を探す」用途から始めると、Geminiの使い方を掴みやすいです。使い慣れてきたら、徐々に「骨格づくり」や「文章の下書き」に活用範囲を広げていくのがスムーズです。

まとめ——GeminiはAIではなく「思考のスパーリング相手」だった

Geminiを企画書作成に使って感じた一番の収穫は、「思考の壁打ち相手」として使えることだとわかったことだ。白紙から一人で考えていたとき、どうしても「自分の思い込みの範囲」から出られなかった。Geminiに「この提案の反論は?」「見落としているポイントは?」と聞くことで、自分の視野の外にある観点が自然に入ってきた。

企画書の品質は、「どれだけ多くの角度から検討したか」に比例する部分が大きい。Geminiはそのための「視野の拡張ツール」として機能した。自分の思考を置き換えるのではなく、思考の幅を広げてくれるパートナーとして使うことで、一人で作る企画書より網羅性が上がった。

Geminiに任せる部分と自分でやる部分を意識的に分ける。骨格と反論洗い出しはGeminiに、数値の根拠確認と読み手への言葉の選択は自分でやる。この分担ができると、企画書作成の時間が半分になりながら、質は落ちなかった。もし企画書づくりに時間がかかって悩んでいるなら、まず「反論を10個出してほしい」という一言からGeminiを使い始めてみてほしい。そこから始まる思考の整理が、きっと役に立つ。

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