
Googleスプレッドシート(以下スプレッドシート)で「ボタン」や「アイコン」にリンクを貼るテクニックは、ユーザーの操作性を格段に高め、資料としての完成度も引き上げる小技です。
この記事ではスプレッドシート内でボタンやアイコンにリンクを設定する具体的な方法を、画像や図形を活用しながら詳しく解説します。加えて、実務での活用例やよくあるトラブルとその対処法についても紹介します。
ボタンやアイコンにリンクを貼る目的とメリット
リンク付きのボタンやアイコンを使うと、スプレッドシートの操作性が向上します。具体的には以下のようなメリットがあります。
- 特定のシートやセルにジャンプできる
- 外部の資料(Googleドキュメント、PDF、Webページなど)に飛べる
- 見た目が整い、誰が見ても分かりやすい資料になる
- 入力・確認・更新作業を誘導しやすくなる
これらの利点は業務でチームと共有するシートや、クライアントに提出する資料などで特に効果を発揮します。
スプレッドシートでリンクを貼れる要素
スプレッドシートでリンクを設定できる要素は以下の通りです:
- セル(テキスト)
- 画像(アイコンやロゴなど)
- 図形(ボタン風の図形)
この中でこの記事では「画像」と「図形」をボタンやアイコンとして活用する方法にフォーカスします。
ボタン風の図形にリンクを貼る方法
図形を使ってボタンを作る方法は以下の手順です。
図形を挿入する
メニューから「挿入」>「図形描画」>「新しい描画」を選択
図形(例:角丸四角形)を描く
テキストを入力(例:「申請フォーム」など)
フォントや色、枠線を好みに調整
「保存して閉じる」をクリックすると、図形がシート上に表示される
図形にリンクを設定する
GASで以下のコードを実行してください
function openUrl() {
const url = "https://www.yahoo.co.jp/";
const html = HtmlService.createHtmlOutput(
`<p>
外部リンクを開くには以下をクリックしてください:<br><br>
<a href="${url}" target="_blank" style="font-size:16px;">
${url}</a>
</p>`
).setWidth(400).setHeight(150);
SpreadsheetApp.getUi().showModalDialog(html, "リンクを開く");
}
GASは「拡張機能」→「Apps Script」から実行できます
作成したボタン右上の「︙(メニュー)」をクリックし、「スクリプトを割り当て」を選択
openUrlを割り当てます
これで図形をクリックすると、指定したリンク先へジャンプするようになります。
画像アイコンにリンクを貼る方法
Webでよく見るような「メールアイコン」や「Googleドライブのロゴ」などを活用したい場合、画像を使うと視覚的にも分かりやすいボタンになります。
画像を挿入する
「挿入」>「画像」>「セル上に画像を挿入」または「セルの上に画像を挿入」
画像にリンクを設定する
挿入された画像をクリック
作成したボタン右上の「︙(メニュー)」をクリックし、「スクリプトを割り当て」を選択
openUrlを割り当てます
これで図形をクリックすると、指定したリンク先へジャンプするようになります。
画像にリンクを貼る場合、「セル上に挿入」と「セルの上に挿入」のどちらを選ぶかで挙動が変わります。
- セル上に挿入:画像がセル内に固定され、フィルタや並べ替えと連動します
- セルの上に挿入:位置が自由で、デザイン重視向け
リンクの種類と使い分け
貼るリンクにはいくつかの種類があります。目的に応じて使い分けることがポイントです。
リンクタイプ | 入力例 | 用途 |
---|---|---|
Webページ | https://example.com | 外部サイトへの誘導 |
Googleフォーム | https://forms.gle/… | 入力フォームへの誘導 |
Googleドキュメント | https://docs.google.com/… | 添付資料の確認 |
シート内リンク | ‘シート名’!A1 | 特定のシートやセルへのジャンプ |
メールリンク | mailto:example@example.com | メール起動(画像によく使う) |
実務での活用シーン
シーン1:申請フローの効率化
経費申請や勤怠報告などで、「申請フォームはこちら」ボタンをシートに設置。Googleフォームと連携することで、入力漏れ防止にもつながります。
シーン2:タスク管理シート
アイコンに「担当者へのメールリンク」を埋め込んだり、「完了報告フォーム」へのボタンを設けたりすれば、タスク完了後の行動をスムーズに誘導できます。
シーン3:プレゼン資料・社内マニュアル
ナビゲーションとして「目次用ボタン」を設置し、各シートへジャンプできるようにすれば、見る人の利便性が高まります。
よくあるトラブルと対処法
トラブル1:リンクが反応しない
対処:画像や図形を「選択」した状態でしかリンクは動作しません。正しく挿入できているか確認しましょう。
トラブル2:他のユーザーがリンク先にアクセスできない
対処:Googleドキュメントやフォームなどの共有設定を「リンクを知っている全員が閲覧可能」にしておきましょう。
トラブル3:画像や図形がずれる
対処:セル上に固定する/セルの上に自由配置する、どちらが適しているか見直してください。
まとめ
スプレッドシートのボタンやアイコンにリンクを貼ることでただの表にとどまらず、「使いやすく」「伝わりやすい」ドキュメントへと進化させることができます。
- 図形を描いて「ボタン化」すれば、資料が一気にプロっぽく見える
- アイコン画像を活用すれば、視覚的にも伝わりやすくなる
- リンクの活用次第で、フロー・連携・確認がスムーズになる
実務に取り入れてみると、その効果をすぐに実感できるはずです。資料作成や日々の業務に、ぜひ今回紹介したテクニックを活用してみてください。
他にもOfficeソフトに関する記事を上げています。是非色々見てみてください。