リモートワークで集中力が続かなくなったエンジニアが、環境設計と深い仕事の習慣で変えた話

job16

結論から言うと、リモートワークで集中力が続かなくなったエンジニアが、環境設計と深い仕事の習慣で変えた話——最初は半信半疑だったが、実践すると仕事の進め方の根本から変わった。スキルより「習慣の設計」が先に問われる。この記事では具体的な方法と気づきをまとめる。

リモートワークに切り替わってから、集中力が続かなくなったと感じているエンジニアは多い。オフィスでは当たり前にこなせていた実装が、自宅では思うように進まない。コードを書こうとしてもSlackの通知が気になり、集中しようとするとブラウザのタブをいつの間にか開き直している。気がつけば夕方になっていて、「今日、何をやっていたのだろう」という釈然としない感覚だけが残る。

私自身、リモートワークへの移行後しばらくの間はまさにその状態だった。スタンドアップで進捗を報告するたびに「思ったより進んでいない」と感じ、昼間できなかった分を夜に取り返そうと深夜まで作業する日が続いた。それでも翌日の疲弊感は増すばかりで、パフォーマンスは上がらなかった。

問題は意志の強さではなく、環境と習慣の設計が間違っていたのだと気づかせてくれたのが、『大事なことに集中する(Deep Work)』と『SINGLE TASK 一点集中術』の2冊だ。この記事では、これらの本から学んだことをもとに、リモートワーク環境での集中力をどう立て直したかを具体的に書いていく。

今から振り返ると、集中できなかった理由のほとんどは外的な環境要因であり、少し仕組みを変えるだけで改善できるものだった。同じ悩みを持つエンジニアに、実体験をもとにした具体的な取り組みとして参考にしてもらえれば幸いだ。

リモートワークで集中力が落ちるのは意志の問題ではない

多くのエンジニアは、集中できないことを自分の意志が弱いせいだと思いがちだ。しかし、そもそも人間の脳は通知が来るたびに注意が引き寄せられるようにできている。これは進化の過程で外敵や変化に素早く反応するために発達した機能であり、意志力でどうにかなる問題ではない。リモートワークでこの反応が強まるのは、通知の頻度がオフィスより高く、遮断するための物理的な障壁が少ないからだ。

オフィスにいるときは、物理的な空間の切り替えや、周囲の人が働いている視覚的刺激が、ある種の集中モードへの誘導として機能していた。自宅ではその外部的な仕掛けがない。仕事スペースと生活スペースが混在し、Slackはスマートフォンにも届き、少し疲れると別のことに逃げるハードルが極端に低くなる。集中できないのは環境の設計の問題であり、個人の能力の問題ではない。

『大事なことに集中する(Deep Work)』でカル・ニューポートが指摘しているのは、「浅い仕事(Shallow Work)」と「深い仕事(Deep Work)」の区別だ。両者は性質も生み出す価値も大きく違うため、混同したまま1日を過ごすと、認知リソースを浅い側ばかりに奪われてしまう。違いをまず明確に持つだけでも、自分の時間の使い方を見直すきっかけになる。

  • 浅い仕事(Shallow Work):メールの返信、Slackの応答、定例会議への参加など、認知的負荷が低くこなしている感覚はあるが、大きな価値を生まない作業
  • 深い仕事(Deep Work):複雑な実装、設計の策定、技術的な問題解決など、エンジニアとして本質的な価値を生む集中作業

リモートワークで集中力が落ちたと感じる多くの場合、浅い仕事に時間を奪われて深い仕事ができていない状態に陥っている。通知を処理し、質問に答え、ドキュメントを確認しているうちに半日が終わる。こうした状態は環境の設計によって確実に変えることができる。重要なのは、自分を責めるのをやめて、構造的な問題として取り組むことだ。

浅い仕事そのものが悪いわけではない。コードレビューやチームとのコミュニケーションも大切な仕事だ。問題は深い仕事と浅い仕事が混在して、どちらも中途半端になることだ。両者を明確に分けてそれぞれの時間を設計することが、リモートワークにおける集中力管理の第一歩になる。

『大事なことに集中する(Deep Work)』から学んだ習慣

この本を読んでまず変えたのは、深い仕事のための時間ブロックを1日の最初にカレンダーへ入れることだった。ニューポートが提唱するのは、ディープワークを「偶然できたらラッキー」なものとして扱うのではなく、1日のもっとも重要な仕事として最優先でスケジューリングするという考え方だ。浅い仕事が先にカレンダーを埋めてしまう前に、深い仕事の時間を確保する。

実際には、午前9時から11時の2時間をディープワークブロックとして固定し、その時間はSlackをDNDに設定し、スマートフォンを別の部屋に置くようにした。最初の1週間で、「今日は集中できた」という感覚が戻ってきた。エンジニアとして本質的な仕事に向き合える時間があるだけで、1日の充実感が大きく変わることに気づいた。

ニューポートはまた、「深い仕事の能力は練習によって高まる」とも書いている。最初は2時間ほど集中するだけで疲れるが、継続することで深い集中状態に入るまでの時間が短縮され、その状態を維持できる時間も延びていく。集中力は生まれつきの才能ではなく、意図的に鍛えられるスキルだという視点は、リモートワークで集中できなくなったと落ち込んでいたときに、大きな励みになった。

ディープワークの4つのスタイル

ニューポートはディープワークを実践するスタイルとして4種類を挙げている。自分の働き方や役割に合わせて、もっとも現実的なスタイルを選ぶことが実践への第一歩になる。

  • 修道院型:外界との接触を断ち、完全にディープワークに専念する
  • 二項対立型:深い仕事の期間と浅い仕事の期間を分けて生活する
  • リズム型:毎日決まった時間にディープワークを実施する
  • ジャーナリスト型:空き時間を見つけてすぐに深い仕事に切り替える

エンジニアとして日常的にチームのSlackに参加しながら開発を進める場合、「リズム型」がもっとも現実的な選択肢だ。毎朝同じ時間に深い仕事のブロックを確保し、その時間だけは通知をシャットアウトする。周囲に事前に伝えておくことで、チームのコミュニケーションを損なわずに実践できる。大切なのは毎日繰り返すことで、脳がその時間を「集中モード」として認識するようになることだ。

ディープワークの効果を最大化するための「シャットダウン・ルーティン」

ニューポートがもう1つ重要視しているのが、仕事の終わりのシャットダウン・ルーティンだ。毎日同じ手順で仕事を終わらせることで、脳に「今日の仕事は終わった」というシグナルを送り、仕事外の時間に仕事のことを考えずに済む状態をつくる。具体的には、翌日のタスクを確認して残件をメモし、カレンダーを確認して「明日の計画は整っている」と声に出してから作業ツールを閉じる、という一連の動作だ。

リモートワークでは「いつでもSlackを確認できる」という状態が続くことで、仕事と休息の境界が曖昧になりやすい。シャットダウン・ルーティンはその境界を意図的につくるための儀式だ。仕事が終わった、という感覚を毎日持てるようになることで、翌朝のディープワークに向けた脳のリセットが促進される。この習慣を取り入れてから、夜に仕事のことを考えて眠れない、という状態が改善された。

📚 大事なことに集中する(Deep Work)(カル・ニューポート) Audibleで聴く

『SINGLE TASK 一点集中術』から学んだ、マルチタスクの本当のコスト

リモートワーク中に陥りがちなのが、コードを書きながらSlackを確認し、メールを書きながらドキュメントを参照するといった状態だ。「マルチタスクで効率よく仕事を進めている」と感じているエンジニアは多いが、実際には逆効果になっている場合がほとんどだ。

『SINGLE TASK 一点集中術』でデボラ・ザックが明確に示しているのは、人間の脳は本質的にマルチタスクが苦手だという事実だ。私たちが「マルチタスク」と呼んでいるのは、実際には「高速なタスクスイッチング」であり、切り替えのたびに認知的なコストが発生する。このコストは「アテンション・レジデュー(注意の残留)」と呼ばれ、前のタスクへの注意が完全に切れないまま次のタスクに移ることで、どちらのパフォーマンスも低下する。

たとえば、複雑な処理のロジックを考えている最中にSlackの通知に応答し、また元の作業に戻ったとき、どこまで考えていたかを思い出すのに時間がかかる。この立て直し時間は1回の切り替えで数分にのぼることもある。1日に何十回も切り替えが発生すれば、合計で1〜2時間が失われる計算になる。これはエンジニアにとって、看過できないロスだ。

ザックが提案する解決策はシンプルだ。1つの仕事を終わらせてから次に移るというルールを徹底すること。通知への返信もまとめて時間を決めて行い、コーディング中は通知をオフにする。このシンプルな習慣だけで、1日の実質的な深い作業時間が増え、同じ時間でより多くの成果を出せるようになる。

「タスクリスト」より「集中リスト」を持つ

ザックが勧めているのは、「今日やること」をリストアップするのではなく、「今まさに集中すること」を1つだけ決めて、それが終わるまで他のことをしないという実践だ。エンジニアの場合、「今日のディープワーク対象タスク」を朝に1つ選び、それをスプリントチケットの最優先タスクとして動かすようにすると、スプリントのベロシティが安定する効果があった。

通知への応答が遅れることへの不安を感じるエンジニアも多いかもしれないが、多くの場合、Slackのメッセージは1時間以内に返信すれば業務上問題ない。集中ブロック中は返信を保留する旨をSlackのステータスで示しておくことで、チームへの配慮と自分の集中時間を両立させることができる。実際にこの運用を始めてから、チームメンバーからクレームが来たことは一度もない。

「通知の断捨離」から始める集中力の取り戻し方

ザックが具体的に勧めているのが、スマートフォンやPCの通知設定を根本から見直すことだ。すべてのアプリの通知をいったんオフにして、本当に必要なものだけを選んでオンにし直す。多くの人はデフォルト設定のまま使い続けているが、デフォルトはほぼすべての通知がオンになっている。通知が来るたびに注意が引き寄せられ、集中が途切れるコストを考えると、断捨離の価値は非常に高い。

実際に取り組んでみたところ、ほとんどの通知は即時対応が不要だとわかった。手を入れた箇所を整理しておくと、自分のチームでも応用しやすい。

  • SNSのいいね・ニュースアプリ・ショッピングアプリの通知はすべてオフ
  • Slackとメールの通知はPCのみ受け取り、スマートフォンからはオフ
  • ディープワーク中はPC側のSlackもDNDモードに切り替え
  • カレンダーの予定通知は5分前のみ、それ以外はオフ

これだけで、1時間に何度も起きていた注意の中断が大幅に減り、コーディング中の「ゾーン」に入りやすくなった。通知の断捨離は無料でできる最も効果的な集中力改善施策だと感じている。

📚 SINGLE TASK 一点集中術(デボラ・ザック) Audibleで聴く

リモートワーク環境を「集中できる場所」に設計し直す

本から学んだことを実践するために、まず自宅の作業環境を物理的に見直した。机の上に置くものを最小限にし、スマートフォンは別の部屋に置く。コーディング中はブラウザのタブを開きすぎないようにし、集中が必要な作業中は音楽ではなくホワイトノイズを流す設定にした。机の上が整理されているだけで、脳の空きリソースが増えると感じた。

もっとも効果があったのは、「集中のトリガー」をつくることだった。Deep Workを始めるときに必ずコーヒーを1杯淹れ、ノイズキャンセリングイヤホンを装着し、ブラウザを全画面表示にする。このルーティンを毎回繰り返すことで、脳がそのシーケンスを「集中モードへの切り替え」として認識するようになった。今では、イヤホンをつける瞬間に自然と集中モードのスイッチが入る感覚がある。

ニューポートが「グランドジェスチャー」と呼ぶアプローチも試した。重要な仕事をするために、普段とは違う場所に移動するという方法だ。リモートワーク中でも、特に重要な設計や技術的な意思決定を行うときはカフェや図書館に移動することで、脳に「これは特別な作業だ」というシグナルを送る。移動コストをかけることで、その時間に集中せざるを得ない心理的なプレッシャーが生まれる。

環境設計の最終的な目標は、「集中したいと思ったとき、すぐに集中できる状態」をつくることだ。意志力に頼るのではなく、自然と集中できる仕組みを整える。リモートワークでは、この能動的な環境設計が不可欠であり、一度設計してしまえば毎日の集中の質が安定して上がっていく。

環境設計は完璧を目指す必要はない。まずスマートフォンを作業中に手の届かない場所に置くことだけを1週間試してみる、といった小さな変化から始めるので十分だ。その変化が集中時間にどう影響したかを観察し、効果を感じたら次のステップに進む。環境設計は一度で完成するものではなく、自分の仕事のリズムに合わせて継続的に改善していくものだ。

リモートワークならではの「集中環境」の利点を活かす

オフィスには多くの利点があるが、リモートワークには集中という観点での利点もある。オフィスでは避けられない「声をかけられること」「周囲の雑音」「会議室の移動時間」が、自宅ではコントロール可能になる。この利点を最大限に活かすための環境設計が、リモートワークの集中力を高める上でのカギだ。

自宅の作業スペースをオフィスのデスクより「集中しやすい環境」に整えることは十分に可能だ。外部ディスプレイを大きくして情報密度を上げる、椅子をエルゴノミクス対応のものに変える、室温と照明を最適化する、これらは初期投資があるものの長期的には大きなリターンをもたらす。環境への投資を「コスト」ではなく「集中力への投資」として捉え直すことで、リモートワークの生産性は大きく変わる。

時間ブロックで「集中の予定」を先に入れる

環境を整えたあとに実践したのが、1週間単位での時間ブロッキングだ。毎週月曜の朝にカレンダーを開き、その週のディープワーク時間を先に入れる。スプリントのタスクを確認して最も複雑な実装や設計が必要なものを特定し、それをディープワークブロックに割り当てる。週の最初にこれをやっておくだけで、その週全体の仕事の流れが安定する。

「時間がなくてディープワークができない」と感じているエンジニアの多くは、浅い仕事が先に入ってしまっているケースが多い。会議、コードレビュー、Slackへの応答、これらが先にカレンダーを埋めていくと、集中できる時間は断片的な隙間しか残らない。そういった隙間では、深い集中状態に入ることがほぼできない。問題は時間の量ではなく、時間の配置だ。

解決策はシンプルで、ディープワーク時間を先に確保することだ。毎朝9時から11時の2時間を固定ブロックとして登録し、その時間はいかなる会議も入れないように設定した。チームには「午前中は集中時間として使っている」と事前に共有し、緊急の場合のみ連絡してもらう運用にした。最初は周囲の反応が気になったが、ほとんどのケースで問題は生じなかった。

この習慣を続けることで、スプリント中に複雑なタスクが積み残しになることが大幅に減った。週の初めにディープワークでコアな実装を進めることができれば、週後半はコードレビューや調整に集中できる。仕事の流れが「追われている状態」から「先行して動いている状態」に変わったことは、チーム全体のリズムにも良い影響を与えた。

時間ブロッキングを続けていると、自分がどの時間帯に集中力が高いかが可視化されてくる。私の場合、午前中は深い実装に向いており、午後はコードレビューやドキュメント作成、Slackへの応答に向いていると気づいた。自分の認知リズムに合わせてタスクを配置することで、同じ時間でもパフォーマンスが変わる。時間の量だけでなく、時間の「質」と「配置」を意識することが、エンジニアとして成熟した働き方につながると感じている。

実践して変わった5つのこと

環境設計と深い仕事の習慣を取り入れて数ヶ月、エンジニアとしての日常が次のように変わった。代表的な5つを順に書いていく。

1. 1日の実質的なコーディング時間が増えた

以前は1日8時間働いていても、実質的にコードを書いていた時間は2〜3時間ほどだったと思う。ディープワークブロックを確保してからは、少なくとも毎日2時間の深い集中状態でのコーディングが保証されるようになった。この2時間の質が上がるだけで、それ以前の4時間分に相当するアウトプットが出ることも珍しくない。量より質の改善が、結果的に速度に直結した。

2. 「今日何をしていたかわからない」感覚がなくなった

1日の終わりに「今日は何も進まなかった」という感覚が消えた。ディープワークブロックで何を達成したかが明確なので、浅い仕事で残りの時間を使っていても、達成感を持って1日を終えられるようになった。仕事のログをつけるようになったことも相まって、自分の仕事の流れを客観的に把握できるようになった。

3. スプリントの見積もり精度が上がった

ディープワーク中に複雑な実装を進めることで、タスクの全体像が見えやすくなり、見積もりの精度が上がった。以前は「やってみないとわからない」という不確実性が高いタスクが多かったが、集中して取り組む時間を確保することで、作業の分解が細かくなり、リスクの見落としも減った。

4. コードの品質が上がった

断片的な集中の積み重ねではなく、2時間連続して同じ問題を考え続けることができるようになると、設計の抜けや考慮漏れに気づきやすくなった。コードレビューで指摘されるミスが減り、リファクタリングが必要になる頻度も下がった。集中の深さがそのままコードの質に直結するという実感は、エンジニアとして非常に腑に落ちる体験だった。

5. 仕事後のエネルギーが残るようになった

以前は1日中何かをしていた割に疲弊していたが、今は集中すべき時間に集中して、それ以外は意識的に軽い仕事モードで動くことで、脳の使い方にメリハリが出た。終業後に技術書を読んだり、個人プロジェクトに取り組んだりする余裕が生まれ、エンジニアとしての成長の時間も確保できるようになった。

集中と休息のメリハリが明確になったことで、オンオフの切り替えが上手くなった。以前は終業後もSlackが気になって何度も確認していたが、今は「今日すべきことはディープワークで終わらせた」という感覚があるので、仕事を引きずらずに過ごせるようになった。長期的に見ると、この変化がバーンアウトの予防にもつながっていると思う。

よくある質問

Q1. リモートワークで集中できないのは場所の問題ですか?

場所の問題というより、環境設計の問題です。自宅でも通知をコントロールし、集中のトリガーとなるルーティンをつくることで、オフィス同等以上の集中力を発揮できます。物理的な場所が集中力に影響するのは、脳が「場所のシグナル」を認識するからです。自宅でもそのシグナルを意図的に設計することが可能です。

Q2. ディープワーク中にSlackを完全にオフにしても大丈夫ですか?

チームへの事前の共有が前提ですが、1〜2時間程度の応答遅延は多くのチームで問題ありません。Slackのステータスに「集中中、〇時まで応答が遅れる場合があります」と設定しておくだけで、相手の不安を大幅に減らせます。緊急時の連絡手段を別途決めておくとより安心です。

Q3. 朝型ではないエンジニアはディープワークをどう設定すればいいですか?

ディープワークの時間帯は朝でなくても構いません。自分がもっとも集中できる時間帯を把握し、その時間をブロックすることが重要です。大切なのは「毎日同じ時間帯に行う」というリズムをつくることで、脳がその時間を集中モードとして認識するようになります。

Q4. マルチタスクが得意な人はいないのですか?

研究によれば、マルチタスクが得意だと思っている人ほど、実際にはパフォーマンスが低い傾向があります。慣れているから切り替えが速いと感じているだけで、アテンション・レジデューのコストは全員に発生します。これは個人の得意不得意の問題ではなく、脳の構造上の制約です。

Q5. ディープワークは会議の多いチームでも実践できますか?

可能です。連続した長時間ブロックが難しい環境でも、90分の連続したブロックを1つ確保するだけでも効果があります。会議を設定できる立場であれば、自分のディープワーク時間帯を避けてもらうよう依頼するのも有効な方法です。

Q6. 在宅で集中のトリガーをつくるための具体的な方法はありますか?

取り入れやすいものとして、特定の飲み物を飲む(コーヒーや緑茶)、ノイズキャンセリングイヤホンを装着する、作業デスクの照明を切り替える、の3つがあります。毎回同じ手順で行うことで、脳がパブロフ的な反応として集中モードに入りやすくなります。

Q7. リモートワークで集中力が続かない原因として何が多いですか?

最も多い原因は「通知の多さ」と「仕事と生活の境界の曖昧さ」です。次いで「タスクの切り替えすぎ」「明確な終了時間がないことによる集中の先送り」が続きます。まず1日の通知を記録してみると、集中がどれほど頻繁に中断されているかが可視化されます。

Q8. 2冊の本はどちらから読み始めるといいですか?

まず『SINGLE TASK 一点集中術』から読むことをお勧めします。マルチタスクの問題点という気づきを得てから、Deep Workで習慣化の方法を学ぶ流れが理解しやすいためです。両書ともAudibleで聴けるので、通勤中や家事の合間にも学べます。

まとめ

リモートワークで集中力が続かなくなることは、意志の問題でも才能の問題でもない。環境と習慣の設計を変えることで、自宅でもオフィス以上の集中力を発揮できるようになる。この変化は一朝一夕には起きないが、正しい方向で取り組めば確実に手応えが出てくる。

重要なのは、浅い仕事と深い仕事を明確に区別し、それぞれに適した時間帯と環境を用意することだ。エンジニアとしての本質的な価値は深い仕事から生まれる。その時間を意図的に守る仕組みをつくることが、リモートワーク時代の仕事術の核心だと思っている。

『大事なことに集中する(Deep Work)』から学んだのは、深い仕事の時間を先にカレンダーに入れることの重要性だ。浅い仕事に時間を奪われる前に集中して取り組む時間を確保することで、エンジニアとして本質的な価値を生む仕事ができるようになる。リズム型のディープワークを毎日繰り返すことで、集中力そのものも鍛えられていく。

『SINGLE TASK 一点集中術』から学んだのは、マルチタスクという幻想を手放すことだ。一度に1つのことに集中する習慣をつくることで、アテンション・レジデューのコストをなくし、1日あたりの実質的な集中時間を増やすことができる。通知をコントロールして浅い仕事の時間を分離することが、深い仕事の時間を守る上で不可欠だ。

どちらの本も、読むだけで変わるのではなく、実践することで変わる。ディープワークブロックの設定、通知のコントロール、集中のトリガーとなるルーティンの構築、これらを1つずつ試していくことで、リモートワークの仕事の質は確実に変わっていく。まず1つだけ取り組むとすれば、翌朝の90分をSlackオフで作業することから始めることをお勧めする。

エンジニアとして技術を磨き続けることと同じように、集中力という仕事の土台を意識的に設計していくことが、長期的なアウトプットの質と量を決める。リモートワークという環境は、正しく使えばオフィスよりも深い仕事に向いた環境になりうる。その可能性に気づいてからは、在宅勤務を前向きに捉えられるようになった。

集中力の設計は、エンジニアとしての生産性だけでなく、働き方全体のサステナビリティにも関わる。無理に長時間働くのではなく、深い集中の時間を毎日確保することで、同じ時間でより大きな成果を出し続けられるようになる。これはキャリアを長く続けていく上でも、非常に重要な習慣だと思っている。

エンジニアの仕事術まとめはこちら

Audible公式サイト
最新記事
  • カテゴリー
  • 月別
  • Twitter

    ココナラでデザインを依頼する

    7000本の授業が見放題!社会人向けオンライン学習動画【Schoo(スクー)】

    Webデザイン業界特化のレバテック

    定額制で質問し放題【Web食いオンラインスクール】

    関連記事

    最新記事NEW

    CONTACTCONTACT CONTACTCONTACT

    お問い合わせ

    ご意見やお仕事のご依頼などは以下よりご連絡ください。

    情報入力

    内容確認

    完了

      お名前必須

      フリガナ必須

      メールアドレス必須

      お問い合わせ内容