
FigmaはUI/UXデザインやグラフィックデザインに広く使われるクラウドベースのデザインツールですが、「印刷」という観点では少し特殊な扱いが必要になります。FigmaはWeb上でのデザイン共有やプロトタイピングに最適化されており、一般的なDTPソフト(IllustratorやInDesign)のように直接高解像度の印刷データを出力する機能が標準装備されているわけではありません。
しかし適切な手順を踏めば、Figmaで作成したデザインをきれいに印刷することができます。本記事では、Figmaのファイルを印刷するための方法を詳しく解説します。
Figmaの印刷に関する基本知識
Figmaのカラーモード
FigmaはRGBカラーモードを使用しています。一方で、印刷物はCMYKカラーモードが一般的です。そのためFigmaで作成したデザインを印刷する際には色の変換や調整が必要になります。
Figmaの解像度
Figmaのデザインはベクターベースで作成されているため基本的に拡大・縮小しても劣化しません。ただし、エクスポート時の画像解像度には注意が必要です。特に印刷用のデザインを作成する場合は300dpi以上の解像度でエクスポートすることを推奨します。
Figmaのデザインを印刷用に準備する方法
印刷サイズの設定
印刷物を作成する場合は、あらかじめFigmaのフレームサイズを紙のサイズに合わせて設定しておくと便利です。主な印刷サイズは以下の通りです。
用紙サイズ | ピクセル(300dpi) |
---|---|
A4(210×297mm) | 2480×3508px |
A3(297×420mm) | 3508×4961px |
B5(182×257mm) | 2150×3035px |
マージンと塗り足しの設定
印刷時には断裁のズレを考慮して3mm程度の塗り足し(ブリード)を設定しましょう。Figmaには「塗り足し」機能がありませんが、アートボード(フレーム)のサイズを3mmずつ大きくすることで対応できます。
フォントの埋め込み
印刷時にフォントが正しく反映されるようにするためには、次のいずれかの方法でフォントを埋め込むことが重要です。
- テキストをアウトライン化(Figmaでは直接できないため、PDFエクスポート後にIllustratorなどで処理する)
- フォントを画像化する(テキストをラスタライズすることでフォントの問題を回避)
Figmaのデザインを印刷用にエクスポートする方法
エクスポート形式の選択
Figmaで作成したデザインを印刷する際のエクスポート形式は主に以下の3つです。
形式 | 特徴 | 適した用途 |
---|---|---|
PNG | 高解像度だが圧縮がかかる | 一般的な印刷用途 |
JPG | 軽量だが画質が落ちる | 簡易的な印刷 |
ベクターデータを保持 | 高品質な印刷 |
おすすめのエクスポート方法
- ベクター形式を維持したい場合 → PDF
- 写真や画像が多い場合 → PNG(300dpi)
- 小さいサイズで軽量化したい場合 → JPG(高画質設定)
エクスポート手順
PNG/JPG 形式でエクスポートする方法
- Figmaで印刷したいデザインを開く
- 選択したフレームをクリック
- 右側のプロパティパネルの「エクスポート」セクションを開く
- PNGまたはJPGを選択し、倍率を「3x」(または「300dpi」相当)に設定
- 「エクスポート」をクリック
PDF 形式でエクスポートする方法
- Figmaのフレームを選択
- 「エクスポート」セクションで 「PDF」 を選択
- 「ベクターを保持」にチェックを入れる(高品質な印刷のため)
- 「エクスポート」をクリック
印刷時の注意点とトラブルシューティング
色がくすむ・変わる場合
FigmaはRGBカラーモードのためCMYK変換時に色が変わる可能性があります。これを防ぐには、エクスポート後にIllustratorやPhotoshopでCMYK変換を行い色調補正を加えます。
画像がぼやける・荒れる場合
画像がぼやける場合は以下をチェックしてください。
- 300dpi以上でエクスポートしたか
- デザインに使用した画像が高解像度か(2000px以上推奨)
- 拡大・縮小しても劣化しないSVG形式の画像を使用しているか
フォントが正しく表示されない場合
フォントが正しく印刷されない場合は次の方法で対策します。
- システムフォントのみを使用する
- テキストをアウトライン化する(PDF→Illustratorで変換)
印刷会社に入稿する場合のポイント
Figmaで作成したデザインを印刷会社に入稿する場合は以下の点に注意しましょう。
- 入稿データの推奨フォーマットを確認する(PDF推奨)
- カラーモードをCMYKに変換する(PhotoshopやIllustratorを使用)
- 塗り足しを3mm設定する(Figma上でフレームを拡張)
- フォントをアウトライン化する
まとめ
Figmaは印刷向けに最適化されたツールではありませんが適切な設定とエクスポート手順を踏めば、問題なく印刷できます。本記事で紹介した手順を活用して、Figmaで作成したデザインを美しく印刷しましょう!
また高品質な印刷を目指す場合は、IllustratorやPhotoshopを併用するのもおすすめです。Figmaのデザインを活かしながら、より良い印刷結果を目指してみてください!
他にもクリエイターの収入アップ方法も紹介しているので、自分の給与に違和感がある方は覗いていってみてください。