
ジブリ風のイラストと聞いて誰もが思い浮かべるのは、温かくて、どこか懐かしく、自然と共に生きる世界観でしょう。「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」など細部まで丁寧に描き込まれた背景、個性豊かなキャラクターたち。それを自分でも作ってみたいと思ったことはありませんか?
今はChatGPTと画像生成AI(DALL·Eなど)を組み合わせれば、誰でも手軽に“ジブリ風”のイラストを作成できます。本記事ではその具体的なやり方、ポイント、注意点まで、プロの目線で丁寧に解説します。
そもそも「ジブリ風」とは何か?
まずは定義をはっきりさせましょう。ジブリ風というのはスタジオジブリ作品に見られるような以下の特徴を指します。
- 柔らかい色合いと自然光の使い方
- 手描き感のある繊細なディテール
- レトロで日本的な建築や風景
- ファンタジーと現実の中間のような世界観
- キャラクターが自然に溶け込む構図
このテイストを再現するにはAIへの「指示(プロンプト)」の書き方がカギとなります。
必要なツール
ChatGPT単体では画像は作れませんが、ChatGPTを使ってDALL·E 3やMidjourney、Stable Diffusionなどの画像生成AIと連携することでジブリ風の画像を作ることができます。
主なツール一覧
- ChatGPT(GPT-4)+ DALL·E 3(Proユーザー向け)
- Midjourney(有料、Discord経由で操作)
- Stable Diffusion(オープンソース、カスタマイズ性あり)(無料、有料あり)
どれも有名の生成ツールです。自分の好みにあったものを選びましょう。自身の用途と照らし合わせるために一度すべて利用してみることをおすすめします。
ChatGPTを使って「ジブリ風プロンプト」を作る
画像生成AIはどんな画像を作るかを文章で伝える必要があります。この「命令文」がプロンプトです。
例:ジブリ風の田舎風景
ChatGPTにこう頼みます。
「ジブリ風の田舎の風景を描く画像プロンプトを作ってください。細かいディテールや雰囲気も入れてください。」
するとChatGPTがこのようなプロンプトを生成してくれます。
“A peaceful countryside scene in the style of a hand-drawn animation, with lush green rice fields, a narrow dirt path lined with wildflowers, traditional wooden Japanese houses with tiled roofs, and a large tree casting dappled sunlight. The sky is slightly overcast, giving a soft, nostalgic glow. Inspired by classic 1980s animated films.”
このように絵の内容、構図、光、色、雰囲気を細かく指定することが重要です。
無料のStable Diffusionを利用した結果
DALL·Eで画像を生成する手順(ChatGPT Proユーザー向け)
ステップ1:ChatGPTでプロンプトを生成
すでに紹介したように、ChatGPTに「○○風の画像プロンプトを作って」と依頼。
ステップ2:画像を生成
生成されたプロンプトをDALL·Eに送信(ChatGPTの画像生成機能を使う場合は、ワンクリックで可能)。
ステップ3:画像を確認・修正
AIが生成した画像は思った通りにならないこともあります。気になる点があれば、プロンプトを修正し再生成します。
修正のコツ
- 「more detailed」「brighter colors」「sunset lighting」などで調整可能。
- 背景に特定の要素(例:神社、飛行船)を入れたい場合は、具体的に記述。
クオリティを上げるプロンプト作成のコツ
AIは細かいニュアンスの表現が苦手なので、こちらが視覚的に想像できるレベルで具体的に書くことが必要です。
有効な表現例
- 色:soft pastel tones, warm golden light, muted greens
- 構図:wide shot, bird’s eye view, perspective from behind a character
- 雰囲気:nostalgic, peaceful, slightly melancholic
- 時間帯:sunset, dawn, cloudy afternoon
- アニメ調:hand-drawn style, 1980s animation aesthetics
こうしたワードをChatGPTに伝えると、より理想に近いプロンプトを返してくれます。
ジブリ風キャラクターを作るには?
背景だけでなく、キャラクターもジブリ風にしたい場合は以下のような情報を盛り込みます。
- 年齢、性格(例:10歳の少女、好奇心旺盛で優しい)
- 外見(例:ショートボブ、白いシャツ、赤いスカート)
- 表情やポーズ(例:空を見上げて笑っている)
- 世界観との調和(例:背景に古びた学校、鳥が飛んでいる)
例
“A curious 10-year-old girl with short black bob hair, wearing a red skirt and white blouse, standing on a hill and looking at the sky with a gentle smile. The background is a soft watercolor-style countryside, inspired by Studio Ghibli.”
注意点:著作権とオリジナリティ
「ジブリ風」として画像を作ること自体は可能ですが、スタジオジブリのキャラクターや明確な作品名(例:トトロ、千尋)を直接使うことは禁止されています。
DALL·EやChatGPTも著作権を尊重するため、特定の名前やキャラを含むプロンプトには制限があります。そのためあくまで「ジブリ風の世界観」を活かしたオリジナル作品を作る意識が必要です。
画像生成後の活用方法
生成したジブリ風画像は以下のように使うことができます。
- SNSのアイコンやヘッダー画像
- 創作活動(小説、ゲーム、絵本など)の素材
- コンセプトアートやイメージボード
- プレゼントやグッズ制作(非商用範囲で)
商用利用する場合は著作権やライセンスに注意が必要です。商用OKな画像生成ツールやモデルを使うようにしましょう。
まとめ
ジブリ風のイラストは繊細で奥深い表現が魅力です。AIと適切なツールを使えばそのエッセンスを取り入れたビジュアルを誰でも作ることができます。
ポイントは以下の3つです。
- プロンプトは具体的に、視覚的に書く
- 世界観と雰囲気をしっかり伝える
- オリジナル要素を意識して著作権に配慮する
AIは魔法のようなツールではありませんが、あなたの創造力と正しい使い方次第で夢のような世界を形にしてくれる相棒になってくれます。
他にもクリエイターの収入アップ方法も紹介しているので、自分の給与に違和感がある方は覗いていってみてください。