
音声を文章に変換する「文字起こし」は会議の記録、インタビューの整理、動画の字幕作成などあらゆるシーンで役立ちます。昔は人の手で時間をかけて行う作業でしたが、今ではAIを使えば誰でも手軽に文字起こしが可能です。この記事ではOpenAIの音声認識技術「Whisper」と文章の整理・編集が得意な「ChatGPT」を組み合わせて、音声データを効率よく文字起こしする方法をわかりやすく解説します。準備から実践、精度を高めるコツまでこれを読めば今日からすぐに使えます。
音声データの文字起こしとは?
「文字起こし」とは、会議、インタビュー、講演、対話などの音声をテキストデータに変換する作業のことです。これにより聞き取る手間が省けたり、検索や編集がしやすくなったりと情報を扱いやすくなります。ビジネスやメディアの現場ではもちろん、学術研究やライターのネタ起こしなどにも欠かせません。
近年はAIの進化により、文字起こしの精度とスピードが飛躍的に向上しています。中でも注目されているのが、OpenAIが提供する「ChatGPT」や、その関連技術を使った文字起こしの方法です。
ChatGPTは直接音声を認識できるのか?
ChatGPTそのものは音声データ(MP3やWAVなど)を直接「聞く」ことはできません。しかし、ChatGPTを提供しているOpenAIは音声認識モデル「Whisper」も開発しており、これを使えば高精度の文字起こしが可能です。
文字起こしに使える具体的なツール
音声をテキストに変換するには以下のようなツールや方法があります。
1. Whisper(OpenAIの音声認識AI)
- 無料かつ高精度で使える
- Pythonなどを使う必要があるが、GUI版も存在する
- 日本語対応も良好
2. Whisper API(OpenAI)
- プログラミング不要でAPI経由でも利用可能
- 料金体系あり(従量課金制)
3. 無料GUIツール「Whisper.cpp」や「Whisper WebUI」
- コマンド不要で初心者でも扱いやすい
- ファイルをドラッグ&ドロップするだけで文字起こし可能
4. オンラインサービス(Notta、Otter.ai、文字起こしさん など)
- ブラウザだけで完結
- 無料枠あり、有料プランで精度向上
- 英語・日本語ともに対応しているものが多い
ChatGPTを活用した文字起こしの流れ
ChatGPTの強みはテキスト処理における柔軟性です。「文字起こし」自体はWhisperで行い、ChatGPTはその後の処理(編集、要約、翻訳、校正など)を担うという分担が理想です。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 音声データを準備する(MP3やWAVなど)
- Whisperや外部ツールで音声をテキストに変換する
- テキストをChatGPTに貼り付けて編集・整形・要約を依頼する
例
このインタビューを800文字程度に要約してください
会話体から地の文に書き換えてください
誤字脱字を修正してください
実践:ステップバイステップでやってみる
無料ツール「Whisper WebUI」とChatGPTを使って文字起こしを行う例を紹介します。
ステップ1:音声データの用意
スマホで録音したMP3ファイルなどを用意します。
ステップ2:Whisper WebUIを起動
以下のGitHubからWebUIをダウンロード(またはColab版を利用)
https://github.com/openai/whisper
操作は簡単でファイルをドラッグ&ドロップするだけ。完了すると文字起こしされたテキストファイルが出力されます。
ステップ3:ChatGPTで処理する
ChatGPTに以下のように依頼します。
以下のテキストはインタビューの書き起こしです。話し言葉を整えて、読みやすい文章に編集してください。
(ここにテキストを貼り付ける)
ChatGPTは文法チェックや読みやすさの改善に長けているので、人の手で行うよりスピーディーかつ自然な仕上がりになります。
文字起こしをより正確・効率的に行うためのコツ
ノイズを避ける
録音時にはできるだけ雑音を減らし、話者の声がクリアに聞こえる環境で録音するのが理想です。
明瞭な発音を意識
話者がはっきり話すほど、AIの認識精度も高まります。会議などでは発言の順番を明確にすることで、誰が何を言ったかも記録しやすくなります。
セクションに分ける
長い音声は分割して処理すると、精度が上がります。ChatGPTで処理する際も、細かく段落分けされていると編集しやすくなります。
ChatGPTによる文字起こしの編集・要約の使い方
ChatGPTは次のようなタスクに特に向いています。
- 要約:5分の会話を1分に短縮
- 話し言葉の修正:口語→文語への変換
- 誤字脱字の修正
- 文体変更:「ビジネス調にしてください」「学生向けにしてください」など
- タグ付け:「発言者を明記してください」「見出しをつけてください」など
まとめ
ChatGPT単体では音声を聞くことはできませんが「Whisper」などのツールと組み合わせることで、高精度かつ高速な文字起こしが実現できます。
文字起こし後の「編集・要約・整形」といった作業が圧倒的に楽になります。これは従来の人力での文字起こしに比べて、コスト・時間・労力のすべてにおいて大きなメリットです。
他にもクリエイターの収入アップ方法も紹介しているので、自分の給与に違和感がある方は覗いていってみてください。