Webアプリケーションや業務システム、スマートフォンアプリなど、あらゆるユーザーインターフェース(UI)に欠かせないのが「コンボボックス(combobox)」です。本記事ではコンボボックスの基本から応用、実装パターン、UI/UX観点でのポイント、さらには主要ライブラリやフレームワーク別の実装例まで徹底解説します。
コンボボックスとは?
コンボボックス(combobox)とはユーザーがあらかじめ定義された選択肢の中から一つを選ぶことができるUIパーツで、ドロップダウンリストとテキスト入力の機能を兼ね備えています。典型的な使用例としては、国名選択、カテゴリ選択、フォームの都道府県選択などが挙げられます。
- 別名:ドロップダウン、セレクトボックス、セレクトメニュー
- HTMLタグ:
<select>,<input list> - JavaScriptライブラリでは:
Autocomplete,Dropdown,SelectBoxなどとして実装されることも
コンボボックスの主なタイプ一覧
以下に代表的なコンボボックスの種類と用途を整理します。
1. スタンダードコンボボックス
- HTMLの
<select>タグを使った最も基本的なタイプ - 単一選択のみ可能
- キーボードナビゲーションが可能
2. 入力補完型コンボボックス(オートコンプリート)
- テキスト入力と候補リストの表示を組み合わせたタイプ
- ユーザーの入力に応じて候補が絞り込まれる
- Reactでは
react-autocomplete、Downshiftなどが有名
3. マルチセレクトコンボボックス
- 複数の選択肢を同時に選ぶことができる
- タグ表示やチェックボックスでUIを補強
react-selectなどが代表的なライブラリ
4. グループ化コンボボックス(オプティカルグループ)
optgroupを使って選択肢をカテゴリ別に分類- 大量の選択肢がある場合に視認性が向上
5. 非同期読み込み型コンボボックス
- 選択肢をサーバーAPIから非同期に取得
- フォームの初期化負荷を軽減
- Axiosやfetchと組み合わせて実装
コンボボックス設計のUI/UXベストプラクティス
ラベルとプレースホルダーの使い分け
- プレースホルダーだけに頼らず、明確なラベルを設置する
- アクセシビリティ向上にも寄与
選択肢は適切に整理する
- アルファベット順や人気順など、ユーザー視点で並び替える
- 長すぎる選択肢は折り返す or ツールチップで対応
デフォルト値は明示的に
- 初期状態では”選択してください”などのプレースホルダーを設定
- 意図しない選択を防ぐ
キーボード操作への対応
- Tabキー、↑↓キーでの操作性確保
- スクリーンリーダーとの連携(
aria属性の活用)
モバイル対応
- タップ領域の最適化
- ネイティブセレクトとカスタムUIの使い分け
ライブラリ別:コンボボックス実装例
React + react-select
import Select from 'react-select';
const options = [
{ value: 'japan', label: 'Japan' },
{ value: 'usa', label: 'USA' },
{ value: 'france', label: 'France' }
];
<Select options={options} placeholder="国を選択" />Vue + vue-select
<template>
<v-select :options="countries" placeholder="国を選択" />
</template>
<script>
export default {
data() {
return {
countries: ['Japan', 'USA', 'France']
};
}
};
</script>HTML + JavaScript(Vanilla)
<select id="country">
<option value="">国を選択</option>
<option value="japan">Japan</option>
<option value="usa">USA</option>
<option value="france">France</option>
</select>まとめ
コンボボックスはUIの中でも使用頻度が高く、ユーザー操作に直結する重要なパーツです。単に「選ばせる」だけではなく、使いやすさ・アクセシビリティ・パフォーマンス・SEOまでを見据えて設計・実装することが、現代のWeb/UI開発において求められています。
これからUI設計を行う際は、本記事で紹介したコンボボックスのタイプやベストプラクティスを活用し、ユーザーにとって直感的で快適な選択体験を提供していきましょう。
他にもクリエイターの収入アップ方法も紹介しているので、自分の給与に違和感がある方は覗いていってみてください。